暁 〜小説投稿サイト〜
「藍い帽子(Dark blue belet)」
7月21日夜-1
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
わち特殊部隊の服装と武装を身につけた。」


佐藤「そして残る二名がひきつけている間、SATに紛れ込んでまんまと脱出したわけね。」

脱走した隊員たちは、特殊部隊用のアサルトスーツ、ボディーアーマー、そしてMP5を持ち出していた。
これらはJ-PTUが試験的に導入していた装備品だったが、解散と共に機動隊に送り返される予定だった。


高木「だけど・・・それだけの装備を持っていながら、どうしてSATの突入時にそれで応戦しなかったんですかね。」

佐藤「最初は応戦するはずだった。でも・・・考えが変わったのよ。きっと・・・。」

佐藤は表情を崩さずに言葉を続ける。

佐藤「解散に反発して、脱走して小学校に立てこもり。その上・・・重武装で応戦なんかしたら、世論はどうなると思う?」

高木「・・・。」

佐藤「おそらく、J-PTUだけじゃないわ。他の特殊部隊・・・SATや自衛隊、海保のSSTまで、とばっちりを受けることになる。下手をすれば、日本の警察は普通の機動隊さえも満足に動かせなくなるわ。彼らは、自分達の仲間を、そこまで追い詰めたくなかった・・・。」

高木「だから人質・・・コナン君たちや先生達には、親切に接した。」

佐藤「突入が決定的になったと見るや、コナン君たちを体育館に避難させ、自分達は拳銃だけでSATに応戦した・・・。」

高木「・・・彼らは追い詰められ、道を誤ってでも、持ち続けた誇りだけは守ろうとしたんだ・・・。」

翔「だからどうだって言うんです。」

二人と一緒にいたもう1人が言い捨てた。

篠崎 (カケル)。彼は刑事ではなく、J-PTUの人間。それも112分隊・・・脱走した7人が所属していた隊の指揮官だった。
部下7人の追跡に加わること自体が異例だった。当然、部下への愛着・同情から逃走を幇助しかねないかという声はあったが、彼は公正平な警察官だった。
人間としての同情があっても、部下が起こした反乱を許したりはしない。

翔「それとも・・・それで情状酌量を得た連中が英雄として崇められ、世の中が警察や特殊部隊を理解してくれるとでも言うんですか?
・・・香港警察を参考に、日本の警察部隊を改良する。最初から無理があると気づけばよかった。それを俺達は・・・俺は・・・。」

高木「・・・。」

佐藤「・・・!」

佐藤は急に身構えた。

高木「どうしたんですか?」

佐藤「シッ・・・。」

高木「・・・。」

翔「・・・。」

三人とも神経を尖らせる・・・。

高木たちがいたのは、商店が立ち並ぶことになっていたと思われる場所だ。

佐藤と翔が、防護楯を手にした・・・と。

ドドドッダダダッ・・・。

佐藤「!今のは・・・。」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ