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僕たちは岩陰に隠れてソーダ水を半分こした。ガラッシア焼きはぐしゃぐしゃに潰れて、カバンの中を汚しているだけだった。
それから七色の金平糖をひと粒ずつ口に入れた。七色といっても、緑と黄色と青のマーブル模様で、とても甘くて。
「金平糖を食べ終わったら、また歩こうね」
僕が言うとアルタイルは考え込んだ。何も言わずに僕の手を握ったから、僕もギュッと握り返したんだけど、情けないことに僕の手はまだ震えていて。
アルタイルはそれに気づいて僕の肩を優しくさすった。
「ベガ、今夜はひとまずここで眠ろう」
「でも、まだ国を抜けてないよ」
「ほんの少し眠るだけだ。今夜のムーンロードを渡るのはもう難しい。日の出前に川に沿って歩きだして、河口の街で明日の夜を待とう」
「追っ手に見つかったりしないかな」
「大丈夫だ。ここなら追っ手にも獣にも見つからないし、街の人混みに紛れてしまえば平気だろう」
「……」
僕はじっとアルタイルを見つめた。
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