緑色の烈風
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!!」
「ほんとですか!?」
「おう、参加費は……なんだ、たったの5万円ぽっちか。これならパパに頼むまでもなく楽勝だぜ」
「そう言うと思いましたよ」
彼がかなりのお金持ちなのはこれまでの言動で察しがついていたため苦笑するアサヒ。なんというか、本当に自分とは違う世界に生きている人だとアサヒは思う。
「それじゃ、さっそく登録をしましょう!確か、ポケモンセンターでも出来たはずですから」
「そうだな、ちゃちゃっと済ませちまうか」
「ええ!そのあとでサイクリングバトルについて詳しくお話ししますね!」
ポケモンセンターの受付に向かい、カードでお金を払って登録を済ませる。そのあと、エメラルドはアサヒからサイクリングバトルについての詳細を聞き始めた。
「――まったく、危ない子だ」
緑眼の少年が怒涛の波乗りで暴走族を飲み込んだのを遠くで見ていたレネ・クラインは再び手持ちのサンダース日々のトレーニングに戻る。
彼はアスリートだ。日々愛用のマッハ自転車を駆り、己とポケモンを鍛えている。そして今は、大会の直前だ。あの被害者の少年にはかわいそうだが、余計な手を出して傷を負うリスクは避けなければならなかった。
(サイクリングバトル。それはスピードの中で進化したポケモンバトル)
明日の大会について、彼は走りながら考える。半年ほど前から行われるようになったそれは、もともとは暴走族のチキンレースのようなものだった。お互いにポケモンで自転車を走る相手を攻撃して、最後まで走り続けられた方が勝ち。
勿論、これから行われる大会はそんな野蛮な火遊びとは違う。ポケモンの力にリミッターをつけ、走る人間に生命の危険がないようにすることで、心置きなく技を打ちあい、設けられたゴール地点まで自転車を走りながらバトル出来るようにされたそれは、スピーディーかつスリリング、そして健全なスポーツとしての地位を少しずつ確立させつつある。レネもそんなサイクリングバトルに魅了され、また見る人々を魅了する一人となっていた。
(バトルの勝敗を決める要素は二つ。一つは普通のバトルと同じく相手のポケモンを全て戦闘不能にすれば勝ち)
これに関しては特別な説明は必要ないだろう。ただし、自転車を決して遅くないスピードで走りながらのバトルなので普通のポケモンバトルとは大いに勝手が異なるが。例えば、出場できるポケモンにもある程度制限がつくといえる。ナマケロやカラサリスのような遅い、動けないポケモンではバトルにならない。
(もう一つ。それは相手よりも早くゴール地点にたどり着くこと。この二つのうちどちらかを満たした方の勝ちとなる)
ここがポイントだ。サイクリングバトルにおいては何も相手のポケモンを倒す
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