緑色の烈風
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、少年と暴走族に向かってこう言い放った。
「てめえら邪魔だ!出口でぼさっと突っ立ってねえでさっさとそこからどきやがれ!!」
彼の瞳は少年のことなど全く見ていない。むしろ出口を塞ぐ暴走族達に対して好戦的ですらある笑みを浮かべている。
「え……ええええっ!?」
「このクソガキ……調子こいてんじゃねえぞ!やれ、てめえら!」
その態度を舐められたと感じた暴走族の一人、恐らくはボス格が命じると、他の五人が全員ドガースを出す。キルリアはこの5人に同時に襲い掛かられて負けたのだ。
「危ないです!いったん止まって……」
被害者の少年は止めようとするが、緑眼の彼は全くスピードを落とさなかった。全力疾走のままモンスターボールを手に持ち、僕を呼び出す。彼の乗る自転車にはめられたメガストーンが光り輝いた。
「出てこい、メガシンカの力で大河を巻き上げ大地を抉れ!波乗りだ!」
出てきたラグラージは早速作り出した大波に乗り、道の端を走る緑眼の少年に並走する。サイクリングロードの道幅ほぼ全てを飲み込む怒涛に、暴走族達、被害者の少年が慌てふためく。
「な、なんだこりゃあああああああ!!」
「ま、巻き込まれる……わわっ!!!?」
すると被害者の少年とキルリアの体が念力で無理やり動かされ、波乗りのわずかな死角――すなわち緑眼の少年の後ろまで強制的に移動させられる。襟を引っ掴まれたような優しさのかけらもない移動には少し文句も言いたくなったが、巻き込まないつもりはあるのだろう。
「邪魔するんなら……くたばりやがれええええええええ!!」
問答無用で怒涛は暴走族とドガースを飲み込みながら、緑眼の少年は一切スピードを落とすことなくサイクリングロードを駆け抜けた――
「ふぅん……そりゃ災難だったな」
「何も知らずにあんな無茶なことしたんですね……」
サイクリングロードを出て、キンセツシティのポケモンセンターで被害者の少年からどういう状況だったのか聞いた彼は、どうでもよさそうに頷いた。曰くあのような行動をした理由は、本気で道を塞ぐ彼らが邪魔だったからだけらしい。自分を助けたのはそのついでとのことだった。その破天荒さに少年は呆れる。
「……でも、ありがとうございました。僕のキルリアと自転車を助けてくれて」
「別についでだ。しかしみみっちい奴らだよなあ。こんな自転車、買い手を探す方が手間取りそうだってのによ」
「ははは……」
被害者の少年の自転車を顎で示してそう言う彼には、何の悪意もない。怒る気にもならなかった。
「そういえばあなた……名前は?僕はアサヒと言います」
「俺の名前はエメラルドだ。よく覚えときな」
エ
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