タブーの在所〜小さいおじさんシリーズ13
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の頬?らしきところを赤らめた。うっわなにこの名将きもいんですけど。
「丞相殿…某にそのような懸想を…」
「えっ……」
「しかし私は衆道には心得のない身……」
豪勢の顎がガクンと落ちた。…俺も概ね、同じような顔をしていたのだろう。
「ちょ、関羽殿、違、それは誤解…余は純粋に優秀な武将としての!」
豪勢が一歩進むと、関羽はじりり、と二歩程、襖の奥に下がった。
「丞相殿が望むような…そのような穴の持ち合わせはござらぬ!御免!!」
そう叫ぶと青龍偃月刀を翻し、関羽は襖の奥へと消えた。
「違う!そうじゃない!!関羽殿―――!!!」
豪勢の必死の絶叫もむなしく、関羽が戻ることはなかった。
「例え衆道のケがあったとしても…ヒゲの豪傑は好まんわい…」
後に残るのは崩れ落ちた豪勢と、体をくの字にしてすごい笑いながら崩れ落ちる白頭巾。…豪勢が気の毒過ぎて居たたまれない。
「…おい、お前んち行っていいか」
俺は逃げることにした。眼鏡もいくらかホッとした顔で立ち上がった。
「はぁ…茶菓子くらいならありますが…」
端正もゆるりと立ち上がり、まだ笑いこけている白頭巾の脇腹をフルスイングで蹴り飛ばすと、粛々と俺のカバンによじ登り、入り込んだ。…そうか、こいつも居たたまれないか。白頭巾の嫁も、いつの間にか消えていた。俺は端正が入ったカバンをそっと持ち上げると、静かに…部屋をあとにした。
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