sts 32 「崩れ落ちる雷光」
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なのは達と別れた私はひとりスカリエッティのアジトへ向かい、入り口で待機していたシスターシャッハ達と合流した。私はシスターシャッハと共にアジト内部へと侵入しスカリエッティの捕縛へと向かう。
「…………これは!?」
アジト内を進んでいるとシスターシャッハの目があるものに止まった。それはナンバーが振られている無数のカプセル。中に見える人影からしてこれが何なのかの推測は簡単だ。
「人体実験の素体?」
「だと思います。人の命を弄び……ただ実験材料として扱う。あの男がしてきたのはこういう研究なんです」
ここにある素体が研究の成功体に入るのならば、これらの素体達が出来上がるまでにどれだけの犠牲が出たのか私には想像もつかない。ただあの男の性格から考えれば、罪もない人を罠に嵌めたりして実験材料にすることもあっただろう。
命を扱う技術――人工の臓器といったものに関しては私達の命を繋ぐためのものだ。だけどあの男は戦うための道具……兵器を作り出すために命を弄ぶ。向ける方向性を変えれば多くの人々を救えるというのにどうして他人を傷つけるような道を選ぶのだろうか。
「……1秒でも早く止めなくてはなりませんね」
「はい……っ!?」
突然アジトに振動が響き渡る。爆発音のようなものも聞こえてくるが、いったい何が起こったのだろう。
この場所は必要ないと判断して崩壊させるつもりなんじゃ……ううん、ここにもまだガジェットといった戦力は残っているはず。ならそれを使って私達の余力を少しでも削ってから手を打った方がより良い結果に繋がるだろう。
そう考え冷静に周囲を観察すると、天井にガジェットV型の姿があった。ただ柱が邪魔でこちらに来ることが出来ないでいる。先ほどの振動はこれが原因のようだ。
「――ッ」
視線を上から戻した瞬間、床から手が出てくるのが見えた。敵の戦闘機人の中には壁などを通過できる能力を持つ個体が居たのを瞬時に思い出した私は、すぐさまその場から後方へと跳ぶ。
床から強襲してきた戦闘機人の攻撃を私は回避に成功するが、シスターシャッハは一瞬反応が遅れてしまい敵に足首を掴まれる。アジトに侵入したときからバルディッシュをザンバーフォームで起動していた私は反射的に助けに行こうとするが、そこにブーメラン状のはものが飛来する。
とっさにザンバーで防御したのでダメージはなかった。シスターシャッハは自分を掴んでいる戦闘機人に反撃を行って床を砕く。だがそこに先ほどのガジェットV型が落ちてしまい、瓦礫で砕かれた床は塞がってしまった。
『シスター、大丈夫ですか!?』
『フェイト執務官……はい、こちらは無事です。大丈夫……ただ戦闘機人を1機補足しました。この子を確保してからそちらへ合流します』
アジト内で分断された状態で居
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