暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 32 「崩れ落ちる雷光」
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ら先ほどのブーメラン達が再度軌道を変えて襲い掛かってきたようだ。挟撃を避けることができない私は全力で防御する。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 どうにか直撃はもらわなかったものの私は堪らず空中から降りてしまった。周囲に魔力弾を生成して牽制したこともあって追撃はなかったが状況的に良いとは言えない。
 ……AMFが重い。……さっさとこのふたりを倒して先に進まないといけないのに。だけどソニックもライオットもまだ使えない。あれを使ったらもうあとがなくなる。スカリエッティに辿り着けなくなったら最悪だし、逮捕できても他の人の救援や援護に回れなくなる。
 先の事を見据えながら対応策を考えていると、不意に目の前にモニターが現れた。そこに映っていたのは管理局の人間ではなく、憎き天才犯罪者だった。

『いやーごきげんよう、フェイト・テスタロッサ執務官』
「――スカリエッティ!?」
『それと……私の作品と戦っているFの遺産に竜召喚士、聞こえてるかい?』

 Fの遺産に竜召喚士……それってエリオとキャロのこと?
 突然私に対して通信を入れてきた理由も定かではないのにどうしてエリオ達にまで通信をするのだろうか。この男はいったい何を考えている……。

『我々の楽しい祭りの序章は今やクライマックスだ』
「何が……何が楽しい祭りだ。今も地上を混乱させている重犯罪者が!」
『重犯罪? 人造魔導師や戦闘機人計画のことかい? それとも……私がその根幹を設計し、君の母君プレシア・テスタロッサが完成させたプロジェクトFのことかい?』
「――全部だ」
『やれやれ、いつの世でも確信めいた者は虐げられるものだね』

 虐げられる? ふざけるな。虐げられてきたのはお前じゃない。罪もない人々のはずだ!

「そんな傲慢で……人の命や運命を弄んで!」
『貴重な材料を無差別に破壊したり、必要もなく殺したりはしていないさ。尊い実験材料に変えてあげたんだよ。価値のない……無駄な命をね』
「ッ――この!」

 ザンバーの魔力を込めて斬り掛かる。近くに居た戦闘機人達がすぐさま動き出そうとするが、それ以上に私の動きを疎外するものがあった。モニターのスカリエッティが指を鳴らすと同時に床から出現した紅い糸のような魔法だ。
 私は空中へ逃げようとするが、予想以上に紅い糸の速度は速く両足とザンバーの刀身を絡め取られてしまった。
 身動きが取れずにいると、そこに近づいて来る足音があった。

「フフフフ……普段は温厚でも怒りや悲しみにはすぐに我を見失う」

 現れたのはジェイル・スカリエッティ本人。手には爪型の装備を付けており、それを握り締めるのと同時に刀身に絡みついていた糸が締まりザンバーの刀身を砕いた。
 それに一瞬気を取られた私は、スカリエッティに魔力弾を撃ち
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