第3章:再会、繋がる絆
第69話「仮初の緋き雪」
[10/10]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
近づいて来たところを、ザフィーラが雄叫びを上げながら大きな防御魔法を張る。
余程の魔力を込められたのか、四人がぶつかってきても破壊はされなかった。
しかし、飽くまで“破壊”はされなかっただけで、繰り出された拳は貫通していた。
だが、それをザフィーラは気合で動かした手で受け止める。
光輝さんもそれに続くように、本体の杖を気合で防ぐ。
「させない!」
さらに追撃が来る所を、僕がバインドで動きを止める。
「“レストリクトウィップ”!!」
四人が纏まった所を、優香さんが鞭のように巻き付ける拘束魔法を使い、捕縛する。
「全力で止めろ!」
そこへ、僕と光輝さんが追加でバインドをする。
ザフィーラはさっきので戦闘不能なため、動けなくなっていた。
「今だ!!」
―――“サンダーレイジO.D.J”
通信を通して僕が叫んだ瞬間、極大の雷が落ちた。
かつてジュエルシード事件の時にも見た、次元跳躍魔法だ。
「ジュエルシード、封印!!」
雷に晒され、隙だらけとなった所へ、封印魔法を放つ。
...ようやく、封印できた...!
「う、ぐ....!」
「っ、ザフィーラ!」
「...心配無用だ...!」
今にも落ちそうになっているザフィーラを支える。
当たり前だ。魔力を振り絞り、ほぼ使えなくなっていた手を無理矢理使って暴走体達の攻撃を受け止めたのだ。無事で済ませれるのは緋雪本人か優輝ぐらいだ。
『クロノ君!結界が崩れて元の世界に戻るよ!』
「分かった...!」
エイミィの通信に答えつつ、崩壊していく結界を僕らは眺めた。
「...所詮は、偽物だったという訳か...。」
理性もなく、ただ再現しただけの暴走体。
本物であれば、僕らの動きに合わせて戦法も変えてきただろう。
...何より、再現しきれていなかった。
「(....まだ、事件は終わっていない。ここで倒れる訳にはいかないな。)」
結界が崩壊し、僕らは元の世界へと帰っていった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ