第3章:再会、繋がる絆
第69話「仮初の緋き雪」
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所に、紅い閃光が迸る。
咄嗟に避け、未だ距離のある暴走体を睨む。
「(仮説が正しいとして、この場所で起きた事から考えると、今の緋雪は...!)」
攻めあぐねている他の三人を通り抜け、率先して挑みかかる。
優輝曰く喋らないと聞いていたが、再現された緋雪の表情は...。
―――“狂っていた”
「やはり...かっ!!」
近づいたため、振るわれた拳を何とか躱す。
躱した際にバインドをかけ、すぐさまその場から離れる。
「(あれは緋雪の再現であり...シュネーの再現でもある...!!)」
かつてベルカ時代にて、“狂王”と恐れられた、哀しき少女...。
緋雪のかつての姿も再現している事に、少し嫌な気分になった。
「クロノ、不用意に近づくな。お前が接近しては、誰も連携を取れん。」
「すまない。早急に確かめたい事があったからな...。」
隣にザフィーラが来て、僕にそういう。
確かにあれは連携を取るにしては愚策すぎた。
「そうか...で、結果は?」
「厄介だ...。...ただでさえ、ジュエルシードで本人より強いかもしれないのに、あれは皆の知っている緋雪より強い。」
「っ....。」
優輝でさえ、代償を無視した反則技を使ってようやく互角になったほどの相手だ。
...と言っても、あれは緋雪の想いを受け止めるためだったため、勝つ事はできたらしい。
「勝算はあるのか?」
「...ない訳ではない。...所詮は、暴走体が再現しただけだからな。」
本人であれば、僕らでは勝てない。
文献では聖王と覇王でさえ、二人掛かりでギリギリだったらしいからな...。
「指示は任せる。前衛は俺がやろう。」
「了解。優香さん、光輝さん!二人はザフィーラを援護するように中距離か近距離で戦ってください!僕が指示を出しつつ援護します!」
「「了解!」」
早速散開しながら僕は魔力弾を暴走体に向けて放つ。
それを、暴走体は避ける事も防御魔法を使う事もなく、拳で相殺する。
...デタラメなのは承知。暴走体の攻撃に当たらなければいいだけの事だ...!
「でりゃあああああっ!!」
僕の魔力弾が拳で打ち消された所へ、ザフィーラが魔力を纏った拳で殴り掛かる。
ザフィーラは日本の武術でいう“剛”のスタイルだ。地力で勝る緋雪の暴走体相手では相性が悪いが...そこはベルカの騎士。格上の相手への心得も備えているようだ。
「っ、ぜぁっ!」
あっさり受け止められ、空いた片手で反撃が迫る所を、身体強化魔法を集中させたもう片方の手で殴りつけるように逸らす。
一手一手が全力な所を見
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