第3章:再会、繋がる絆
第69話「仮初の緋き雪」
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=クロノside=
片方の結界に突入し、すぐさま辺りを警戒する。
結界内の様子は、海鳴臨海公園にノイズをかけたような光景で、少し不気味だった。
「(....誰かを再現してくるとすれば、一体誰を...。)」
一つの推測として出たのは、何かがあった当時その場にいた人物が出てくるらしい。
優輝の話によれば、緋雪が誘拐された場所では優輝。
椿と初めて会った場所では椿が、それぞれ再現されたとの事。
もし、その推測が正しければ、ここには一体...。
「....不気味ね...。」
「気を付けてください。何が起こるか分かりません。」
まるで古い映像を再生しているかのような、結界の内部に対し、優香さんがそういう。
...誰かを再現しているという見方においては、このような光景は合っているな。
「....来たぞ。」
「....あれは....。」
ザフィーラの声に、僕は沖方面に浮かぶ人影を見つける。
...それは、最近ではもう見られない人物だった。
「.....緋...雪.....?」
「...優輝に見せてもらった記録の姿と同じ....緋雪...なのか...?」
そう、緋雪だ。再現され緋雪が、そこにいた。
その事に、緋雪の両親は戸惑う。
「惑わされないでください!...あれは、ただの偽物です...!」
「あ、ああ。それは分かっている...。」
「少し取り乱したわ...。」
そういって、すぐに僕らは身構える。
緋雪を再現しているとなれば....本気でかからなければ死ぬ...!
「直撃は絶対に避けてください...!一撃の威力は、僕が知っている魔導師の中で随一の強さです...!」
「分かった。優香!」
「ええ!」
僕が注意を呼び掛けると同時に、再現された緋雪...暴走体は矢を打ち込んでくる。
それを回避しつつ、優香さんと光輝さんはアイコンタクトで合図する。
「(緋雪の攻撃を防げるとすれば、それはザフィーラだけだ。...尤も、まともに受ければザフィーラでさえ防ぎきれないが...。)」
僕自身、どう動くか考える。
ジュエルシードが動力源となっているのだ。一筋縄でいく方がおかしい。
「(...それに、“どの”緋雪を再現しているかにもよる...!)」
椿を再現した暴走体は、“祟り神”と化した場合というIFの姿を取っていたらしい。
他にも、僕は覚えてないし知らないので意味ないが、“司”を再現した暴走体も、“もし助からなかったら”というIFを表現していたと聞いた。
だとすれば、この緋雪も何かIFを...。
「っ!」
考えている
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