17話目 武闘派
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ハピナスなのかい?」
相手のトレーナーが、次のポケモンを選びながら、そうグレイに声をかけてきた。
武闘派のハピナスを見た相手がこのように訊いてくることは、グレイの想定内である。その時に返す言葉も事前に考えていた。
「姐さんがハピナスかどうかなんて、関係ないんですよ。姐さんは姐さんなので」
「いや、そういうレベルの問題じゃないと思うけど……」
相手トレーナーが困惑気味にそう言った。
グレイの今の言葉は、以前に出会った規格外のチルタリスを連れたトレーナーの言葉を借りたものである。もっとも、同じ言葉を使ったとしても、冗談半分で言っているグレイと本気で言っている規格外チルタリスのトレーナーでは認識に大きな差があるのだが。
規格外のチルタリスを連れたトレーナーは、チルタリスが本来はどのようなポケモンなのか把握しておらず、そもそも考えたこともない。それに対してグレイは、ハピナスが本来は力が弱いポケモンであることを把握しており、自分のハピナスが常識外れの側であることを自覚している。
相手トレーナーは、オオスバメを繰り出した。
オオスバメ。ツバメポケモン。大きな燕の姿のポケモンである。ツヤのある羽と、ピンと立っている尾羽が特徴的である。ノーマルタイプと飛行タイプを併せ持つポケモンである。
ハピナスとオオスバメが対峙する。
「姐さん! 突撃!」
グレイのハピナスは現在、遠距離から相手を攻撃できる技をもっていない。攻撃するにも、補助技を使うにも、まずは相手に近づく必要がある。相手が誰であろうと、突撃あるのみである。
「オオスバメ! 上昇して空を飛べ!」
“メガトンパンチ”を放つハピナスに対し、オオスバメは上空へと飛び立ってハピナスの攻撃を避けた。
「オオスバメ! “つばめがえし”!」
ハピナスの攻撃を避けた相手のオオスバメは、素早い動きで相手を翻弄して斬りつける飛行タイプの攻撃技“つばめがえし”を発動する。
技が発動した直後、相手のオオスバメは目にもとまらない程に速い動きで一瞬でハピナスに近づき、自らの羽でハピナスを斬りつけた。
技を空振って隙ができていたハピナスは、相手の素早い攻撃になす術がなかった。
相手のオオスバメは、攻撃を当てた後は素早く空を飛び、空中を飛行し始める。
空に逃げる相手に対し、グレイは新たな指示をハピナスに下す。
「姐さん! 全力の“メガトンパンチ”!」
ハピナスは、今までの“メガトンパンチ”よりもゆっくりと拳に力を込め始めた。
「よし行け!」
グレイの合図と同時、ハピナスは拳にためた力を一気に解法し、拳を突き出したままの姿勢で、弾丸のような勢いで飛び出して空中のオオスバメに迫る。
「オオスバメ避けろ!」
鳥ポケモンであり、空中で自由に方向転換できるオオス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ