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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
赤い閃光
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かも、今アインクラッドで噂になっている謎のモンスターに変身したというのも驚きだ」

「でも……カブトが、俺とアスナを助けてくれました」

キリトが真剣な表情で言う。それに応じるようにヒースクリフは続けた。

「それはアスナ君から聞いた。どうもキミは、その赤いスピードスターとは……浅からぬ縁がありそうだな」

「……自分でも驚きです」

ヒースクリフの言う通り、お互い眼には見えない絆のような《何か》で繋がっているようだ。

ここからは再びアスナが口を開いた。

「団長。1つお願いがあります」

「なんだね?」

「……私達の一時退団を申請します」

ヒースクリフが「ふむ」と頷きながら問うた。

「理由は?」

「今の血盟騎士団の有り様に、疑問を感じました」

アスナが理由を説明した後、ヒースクリフはしばらく黙考(もっこう)した。

「……了解した」

しかしヒースクリフは、最後に謎めいた微笑を浮かべながら付け加えた。

「だが君達はすぐに戦場へ戻って来ることになるだろう」

この時の言葉の意味がうまく飲み込めなかったため、2人は無言だった。











二度目に訪れた《セルムブルグ》のアスナの部屋は、相変わらず豪奢(ごうしゃ)で、それでいて居心地のいい暖かさで帰ってきた2人を迎えた。

テーブルの上にたった1つだけ(とも)した小さな蝋燭(ろうそく)の明かりが、キリトの腕の中でまどろむアスナの肌を控えめに照らしていた。その白い背中にそっと指を()わせる。暖かく、このうえなく滑らかな感触が指先から伝わってくるだけで陶然(とうぜん)とした気分になる。

アスナは薄く眼を開けるとキリトを見上げ、2、3回ほど(まばた)きしてニッコリ笑った。

「悪い、起こしちゃった」

「ん……。ちょっとだけ、夢、見てた。元の世界の夢……。おかしいの」

笑顔のまま、キリトの胸に顔をすり寄せてくる。

「夢の中で、アインクラッドのことが、キリト君と会ったことが夢だったらどうしようって思って、とっても怖かった。よかった……夢じゃなくて」

「変な奴だな。帰りたくないのか?」

「帰りたいよ。帰りたいけど、ここで過ごした時間がなくなるのは嫌。随分……遠くまで来ちゃったけど、わたしにとっては大事な2年間なの。今ならそう思える」

ふと真顔になり、肩に掛かるキリトの右手を取ると、胸にキュッと抱いた。

「……ごめんね、キリト君。わたしがもっと注意しておけば、こんなことにならなかったのに……」

キリトは小さく息を吸い、すぐに長く吐いた。

「いや……、クラディールが狙ったのも、奴をあそこまで駆り立てたのも俺だ。本当なら、あれは俺の戦いだっ
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