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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
軍の意向
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だ!!」

感激のあまりに思わず眼を見開いた。その顔にアスナがふふふと手を口元の当てながら笑った。

「さっきのサンドイッチのソースはこれで作ったのよ」

「……すごい。完璧だ。お前これ売り出したらすっごく(もう)かるぞ」

正直、俺には昨日のラグー・ラビットの料理よりもこのサンドイッチのほうが美味く感じられた。

「そ、そうかな」

アスナは照れたような笑みを浮かべる。

「いや、やっぱりダメだ。俺の分がなくなったら困る」

最後の一言に呆然としたアスナは。

「意地汚いなあもう!気が向いたらまた作ってあげるわよ」

と小声で付け()した。

こんな料理が毎日食えるなら(せつ)を曲げてセルムブルグに引っ越すかな……アスナの家の側に……などと不覚にも考え、危うく実際にそれを口にしかけた時。

不意に下層側の入り口からプレイヤーの一団が鎧をガチャガチャ言わせながら入ってきた。

2人は瞬間的にパッと離れて座り直す。

現れた6人パーティーのリーダーを一目見て、キリトは肩の力を抜いた。リーダーらしき男は、この浮遊城でもっとも古い付き合いのプレイヤーだった。

「おお、キリト!しばらくだな」

キリトだと気づいて笑顔で近寄ってきたリーダーと、腰を上げて挨拶を交わす。

「まだ生きてたか、《クライン》」

「相変わらず愛想のねえ野郎だな。今日は珍しく連れがいるの……か……」

荷物を手早く片付けて立ち上がったアスナを見て、刀使いは(ひたい)に巻いた趣味の悪いバンダナの下の眼を丸くした。

「あー……っと、ボス戦で顔を合わせてるだろうけど、一応紹介するよ。こいつはギルド《風林火山》のクライン。で、こっちが《血盟騎士団》のアスナ」

キリトの紹介にアスナはちょこんと頭を下げたが、クラインは眼の他に口も丸く開けて完全停止した。

「おい、何とか言え。ラグってんのか?」

(ひじ)で脇腹を突ついてやるとようやく口を閉じ、すごい勢いで最敬礼気味に頭を下げる。

「こっ、こんにちは!!ク、クライン24歳!!独身!!恋人ぼしゅぅー……!!」

どさくさに紛れて口走るクラインの台詞が終わる前に、脇腹に強めのパンチを叩き込んだ。キリトの拳に吹き飛ばされたクラインは少し離れた地面に倒れ込んだ。

その途端、後ろに下がっていた5人パーティーメンバーがガシャガシャ駆け寄ってきて、険しい表情でキリト逹を取り囲んだ。キリトはアスナを(かば)うように身構える。5人パーティーとキリトとの間にしばし沈黙が走るが、数秒が経って《風林火山》のメンバー5人全員が感激といった表情を作り、アスナに向かって一斉に叫んだ。

「「「「「ア、アスナさんじゃないですか〜!!」」」」」

全員が
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