411部分:第五十七話 遺跡の中でその一
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第五十七話 遺跡の中でその一
遺跡の中で
ペルーに降り立ったミロはまず。その首都リマの中を歩いていた。
リマの中は雑然としていた。街並みだけでなく道も行き交う人々もだ。全てが雑然として混沌とした有様であった。
その雑然とした中においてスーツ姿のミロはかなり浮いていた。それでその中で後ろにいる聖闘士達に対して声をかけるのであった。
「それにしてもだ」
「ええ」
「どうかしたんですか?」
「話には聞いていたがそれ以上だな」
まずはこう言うミロだった。
「この街はな」
「まあそうですね」
「この街は」
それは彼等も同じことを感じていた。あちこちにゴミの山があればそのすぐ側で遊んでいる粗末な身なりの子供達もいる。そんな街であった。
「何か無茶苦茶っていうか」
「カオスっていいますかね」
「これが南米だというのか?」
ミロはこうも言うのだった。
「これが」
「そうみたいですね」
「良しにつけ悪しきにつけ」
ミロの後ろの聖闘士達がまた口々にミロに答えた。
「国全体が貧しいですし」
「社会の歪みってやつも凄いですし」
「聖闘士はそこまでは介入できない」
ミロは一言で言ってしまった。
「とてもな」
「ええ、残念ですが」
「それは俺達の仕事じゃありませんからね」
聖闘士達は平和を守ることがその義務である。しかし政治のことにはその権限も義務も全くないのである。それは誰もがわかっていることだった。
「そういうのは」
「それよりもです」
「そうだ。平和を守ることだ」
既に彼等の言いたいことはわかっているミロであった。
「その為にここに来たのだからな」
「はい、その通りです」
「ですから」
「まずはだ」
ここでミロはまず最も側にいる二人に対して声をかけるのだった。
「シリウス、カペラ」
「はい」
「何でしょうかミロ様」
「戦場に赴く前にだ」
白銀の二人に対してさらに言う。
「何か食べるか」
「といいますと」
やや大柄な目の鋭い男が述べてきた。彼が大犬座のシリウスである。
「レストランか何処かにですか」
「そうだ。この街にもあるだろう」
ミロはあらためて彼に告げた。
「そういう場所もな」
「それはあるでしょう」
シリウスもそれは当然といった態度で返した。
「やはり。街ですから」
「ではそこに入ろう」
「ですがミロ様」
落ち着いた雰囲気の若い男がここで言ってきた。彼が御者座のカペラである。今回ミロと共に来ている白銀聖闘士はこの二人なのだ。
「ペルーの料理といいますと」
「知らないか」
「申し訳ありませんが」
こうミロに述べるのであった。
「私は」
「そうか。知らないのか」
「しかしカペラ
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