第7話 『百聞は一見にしかず』な、ナナミの説明
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ナナミを通してトリルのことは聞かされていた。
フロニャルドを訪れたことがあることも、ミッドチルダの存在についても簡単な部分ではあるが知っていた。
だが、ナナミが教えてくれたのは『ミッドチルダと言う異世界があって、その世界に知り合いがいる』と言うことだけ。
それこそ、トリルとミッドチルダの繋がりに関しては何も知らされていない。
ミルヒは必然的に『トリルは地球に住んでいる』と言う認識に至っていたのだった。
内情を知らない彼女にとっては、それこそ自分の知っている知識でしか検証できないのだろう。
だからこそトリル達が、どのようにして来ることができるのかが、理解できなかったのであった。
それが、ヴィヴィオ達から『ミッドチルダ』と言う世界には魔法が存在する。
そして『時空管理局』と言う組織が存在して、自由に時空を行き来できる手段があることを知ったのだった。
そして以前にトリル――時空管理局が訪れたのは10年前。当時、ミルヒは4歳であり前当主は健在だったのだろう。
当主ではない、とても小さな女の子に国の報告などするはずもない。
せいぜい親交のしるしとして手土産に持ってきた数々の品から、子供に好まれる代物を彼女へ与えて、何処の国の物かもわからずに、喜んで受け取っていたのが関の山なのだと思われる。
とは言え、代表領主ともなれば毎日のように手土産や贈答品があるのだろう。
きっと彼女も、与えられたとしても、そんな大量な手土産の1つにしか感じていなかったのかも知れない。
そして、彼の口ぶりだとそれ以降に訪れていることはなさそうだ。
つまり、フロニャルドの大地に時空管理局が来訪していたとしても、彼女の耳に入ることはないのである。
彼女はヴィヴィオ達から話を聞くまで、シンクの住んでいる世界である『地球』を基準に考えていた。だから理解ができなかったのだろう。
ところが、ミッドチルダの文明でならヴィヴィオに聞く限りの情報でも、来訪について、十分に理解ができるのだった。
当然、ミッドチルダの知識がなかった時点では理解をしろと言われても無理なのだろうが。それはエクレやリコはもちろんのこと、後ろで聞いていたシンクもそうなのだろう。
ミッドチルダ。
きっとヴィヴィオ達の住む世界は、地球とフロニャルドを足して――更に高度な成長を成し遂げている世界なのではないか?
彼女達はそんな風に感じていたのかも知れない。
「……シンク? こう言う、実際に直接話を聞いた方が良いことを何と言いましたっけ?」
「あー、ちょっと違うかも知れないけれど『百聞は一見にしかず』かな?」
「それですぅ」
ミルヒは以前シンクに、彼の住んでいる国の『ことわざ』と言うものを何個か教わったことがある。
その中の1つが今の
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