第7話 『百聞は一見にしかず』な、ナナミの説明
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のであるが、結果的に数年間トップに君臨することになったのだった。
更に同じ頃。
魔法の存在を知ることになり、とある真実を知った彼。目的の為に数年後、ミッドチルダの陸士訓練校に入学を果たしたのだった。
卒業後。関係者に惜しまれつつも、ミッドチルダの地ではあるのだが、彼は喫茶店のマスターとしての道を選んだ。その為に平日は、ミッドチルダで生活をしている。
とは言え、休日の空いている時間には、グレアム氏の身体を心配して、実家のあるイギリスに帰ってきていたのである。
しかし高齢ではあるものの、特に付き添わなければいけない必要はなかった。
付き添いには常に傍らにいる2匹の猫達がいる。余程、遠出でもしなければ出歩いても問題はなかった。
そこでイギリスへ帰ってきている時間に、自分の培ってきたトレーニングや陸士訓練校時代のノウハウを役立てることは出来ないか?
自分のトレーニングになり、人の役にも立つアスレチック競技と棒術の教室を開こうと考えたのである。
しかし近所の人達は最初、誰も相手にしてくれなかった。
エクササイズやダンスを習う人はいても、アスレチック競技と棒術を習おうと言う人はいない。
更に、治安的な面で護身術を習っている人からすれば、彼の教えることなど単なる遊びだと思われていたのだろう。
ところが、彼がアスレチックと棒術を教える目的は、護身の為なのであった。
彼が求めるアスレチックと棒術の真髄――。
アスレチックとは、則ち災害時の障害物に通じる。
目の前の障害を、如何に冷静かつ無理な体勢でも迅速に行動できるか?
どんな困難に直面しても、それを打破する精神力と、それを補える体力を身につける。
実際に彼が陸士訓練校で学んだ実技訓練は、アスレチックのような訓練だったのである。
そして、棒術――。
此方は護身術そのものなのだ。
確かに、実際に身の危険に直面する場合には棒など持ち合わせてはいないだろう。
だが、棒術の真髄とは体さばきを指す。
体さばきの延長線上に拳、掴みからの投げ、蹴り。そして、棒などの長物が存在するのだ。
つまり、どの武術にも通じる基礎鍛錬になるのである。
彼は自身の経験を基に、護身術の一環として訓練と言う風な堅苦しい感じではなく、楽しんで身に付けて欲しい。そんな意味合いを込めてアスレチック競技と棒術の教室を開いたのだが、世間には理解してもらえていなかった。
誰からも相手にされないまま教室を開いて数ヶ月経過した頃。
彼の教室に転機が訪れたのが、とある少女との出会いだったのである。
少女は、突然やってきて――
「私にアスレッチック競技を教えてください!」
そんなことを彼に言い放つ。そう、その少女と言うのがナナミだったのである。
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