第7話 『百聞は一見にしかず』な、ナナミの説明
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「大丈夫だって! もぉ、レオ様は心配性だなぁー! ほら、この通り! ピンピンしているよ?」
一方、無事にガレッド獅子団領国へと召還されたナナミ。
彼女はガレッド獅子団領主。レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ――略称をレオ。周囲の者へは『閣下』と呼ばせている、ナナミと同い年の16歳の姫との再会を果たす。
そしてナナミの到着を合図に、獅子団一向はフィリアンノ城を目指して歩みを進めるのだった。
そんな道すがら、突然ナナミが大きなクシャミをする。隣にいたレオは彼女へ、心配そうに声をかけていた。
彼女に心配ないと告げられて、ホッと胸をなでおろしたのも束の間、もしかしたら風邪なのか思い、彼女に再び問いかける。
心配そうなレオの表情に苦笑いを浮かべて、もう1度心配がないことを満面の笑みとともに、両腕を直角に曲げたまま、上下に上げ下ろしをしながらアピールをするナナミ。
そんな彼女の言動に、安堵の笑顔を向けるレオなのであった。そんな彼女の笑顔に、苦笑いを返しながら――
「……まぁ、大方――シンクや先生あたりが私の悪口でも言ってんじゃないかな?」
彼女はそんなことを悪びれずに口走っていた。
「ほう? そうやも知れんな? ……ところで? その先生とやらの話を、わしも詳しく聞きたいんじゃがな?」
そんな彼女の言葉を素直に受け止めていたレオは、彼女の話に出てきた『先生』のことを詳しく聞きだそうと興味津々な表情で訊ねていた。
ミルヒ達に詳しく話していないことを、レオに対しても話している訳はない。彼女はそれで話が通用すると思っていたのだから。
彼女はトリルとの経緯をレオや、周りで興味津々な表情を浮かべるガレットのみんなに説明することにしたのだった。
○●○
時は遡り、数週間前のとある広場。
「……今日は、ここまでにしましょう!」
トリルが、目の前にいる数名の老若男女に笑顔で声をかけていた。
「――お疲れ様でした!」
声をかけられた人達は、一様に彼に対して挨拶をしていた。
その後は地面に座る者や、そのまま立ち去る者など、各々の行動に移っていくのだった。
此処はイギリスのとある地域。グレアム親子の自宅前に広がる公共の広場。
ちょうど今、彼の教えているアスレチック競技と棒術のトレーニング教室が終了したところ。
基本、彼は休日になるとイギリスの実家へ戻り、こうして近所の人達を相手に教室を開いているのだった。
彼は小さい頃から、とある決意を固めてトレーニングに励んでいた。
類い希な身体能力を武器に、中学入学直後に絡まれた不良グループを平伏し、そのグループのトップに君臨していた時期もある。勿論、自己防衛の為に倒した結果に過ぎないので本人的には興味がなかった
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