エピローグ〜幽雅に舞え!
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そう、最初の言葉はフェイク。チャンピオンはバトルが始まる前からあらゆる状況を予測していた。その演出に、観客はどっと沸き立った。
「後は簡単です。攻撃が決まったと思いこんだ君たちの急所はがら空き……僕のジュペッタにかかればそこを狙い撃つことは容易というわけです。さあ、バトルを続けましょうか」
「さすがシリアだ。だけど俺のジュペッタはまだ倒れちゃいない!」
「ええ、まだまだ始まったばかり。そうでしょう?」
「その通り、本当の勝負は――これからだ!」
そのバトルを、客席に見ている二人の少年と一人の日傘を差した少女がいる。ルビーとジャックがバトルをしきりに賞賛していた。
「ふふ、二人ともとっても楽しそうだね。僕まで楽しくなっちゃうよ」
「今まで観客を魅了させ続けてきた兄上と、それに憧れたサファイア君のバトルだもの。きっと、今世紀最大のバトルになるさ」
「いいや、百年なんかじゃ測れないね。きっと千年ものさ」
「そうかもね――君はそうは思わないかい?」
楽しげに話すジャックとルビーの隣で、翡翠の目をした少年がむすっとしている。エメラルドだ。
「けっ、俺様があの場に立ってりゃもっといいバトルができるぜ」
「やれやれ、なら挑戦すればよかっただろうに。君の実力ならホウエンリーグ出場は簡単なことだろう?」
「うるせえな、まだレックウザのコントロールが完璧じゃねえんだよ。俺自身が満足してない状態で、チャンピオンなんかなっても意味がねえ」
そうかい、とジャックは嬉しそうに返事をした。エメラルドはちゃくちゃくと伝説の力をコントロールしつつある。
「それと、君は家族とはうまくいったのかい?」
「サファイア君のおかげでね――見違えたよ。といっても、腫物に触るような態度ではあるんだけど。まあ気長にやるさ。後二年したらサファイア君も一緒に暮らしていいって言われたしね」
「おめでとう。結婚式には是非呼んでよね。楽しそうだから」
「……覚えてたら、そうするよ」
二人の仲も相変わらずだった。今は結婚前の男女が同じ場所に暮らすのはさすがに、と止められたためそれぞれの家で暮らしているが、そう遠くない未来二人は一緒になるだろう。そう話している間にも、バトルは続く。一旦ジュペッタをお互いに下げ、サファイアはヤミラミを、シリアはブルンゲルを繰り出していた。
「いけっメガヤミラミ、混沌螺旋!」
「ブルンゲル、自己再生!」
「させない、回復封じだ!」
「それをふういんで無効にするんだ!」
技の応酬、サファイアのオリジナル技に観客のボルテージは最高潮さえ振り切っていた。
そのバトルの続きは見ている人たちの心の中に。ただ一つ言えるのはそのバトルは優雅で
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