第5話 O・HA・NA・SHI
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ヴィヴィオ達も彼が初めてミルヒと対峙した時のように驚きはしていた。
だがそれは「可愛い・綺麗・愛くるしい」と言う感嘆の言葉が今にも飛び出しそうな意味での驚きの表情であり、自分がミルヒを最初に見た時に感じた驚きとは別の感情なのだろうと思っていた。
トリルは彼の問いを聞いて、少し考えて、苦笑いを浮かべながら――
「……うん、まぁ……そう考えると、地球の方が希少な存在なのかも知れないね?」
そう答えるのであった。
「――そうなんですか? ……あっ、確かにそうかも知れないですね? と言うより、僕だけが珍しいってことになるんですよね?」
「…………」
彼はトリルの答えに咄嗟に疑問を投げかけたのだが、目の前を歩く少女達を見て納得するように、彼の言葉を肯定するのであった。
普通に見ている分には、特に彼女達と自分達に相違は見られない。だから彼の言葉を聞いても即座に納得できなかったのだろう。
しかし彼女達の横にいる『ぬいぐるみ』にしか見えない2匹の存在が、彼に納得せざるを得ない状況を醸し出していたのだと思う。
ヴィヴィオとアインハルト。2人の傍らにピッタリと付き添い、宙を浮きながら移動している『ウサギ』と猫――だと彼は思っていたらしいが、彼女から『豹』なのだと聞かされた。
そんな2匹のぬいぐるみにしか見えない物体が宙を浮いている世界――。
彼は、先の勇者召還でアクシデントに見舞われた際に出会った竜の巫女――シャルに付き従っていた、翼を持った小さな豚の姿をしたマスコット。ぺガのように感じていたのかも知れない。
つまりは地球よりもフロニャルドに近い存在なのだろう。
そもそも『魔法』と言う存在がある時点で、フロニャルド寄りなのだとは思うが。
だから、今いる人達の中では自分やトリルやなのは――だが、トリル達はイギリス人と日本人ではあるが『ソッチ側』の人なのだと言う。
要は自分だけが希少な存在なのだと実感して言葉を繋いだシンクであった。
そんな彼の言葉を聞いていたトリルは、無言で苦笑いの表情を送っていた。
確かに彼の言葉は間違いではない、だが――
「この地で数回ほど勇者業をしている君も、もう立派に『コッチ側』の人間だと思うけどね?」
そんな意味合いの苦笑いだったのである。
シンクが何となく考えていた、彼女達がミルヒ達を見ても驚かなかった理由――。
実際には、彼女達がフェイトの使い魔であるアルフ――元々はとても大きな狼の形態をしていた彼女。
人間形態も可能であり、なのはと出会ったばかりの頃は大人びた女性の姿をしていた。
しかし、はやてとの一件以降、フェイトから与えられる魔力の消費を抑える為に『こいぬフォーム』を覚えて、それ以降は人間形態でも少女の姿をするようになった。
彼女は
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