第3話 出会いとキッカケ
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ある?」
「試験休み? ……うーん。出来ることならアインハルトさん達と練習したいんだけど?」
「……そう……あのね? はやてちゃんから聞いたんだけど、トリルくんの知り合いに異世界へ行っている子達が何人かいるらしいのよ」
「――本当、ママ!? ……あっ、トリルさんって元気かな?」
「うん。この間……フェイトちゃんと、はやてちゃんと喫茶店に行ってきたけど元気だったよ?」
なのははヴィヴィオに、数週間後に控えた試験休みの予定を訊ねる。
彼女はその言葉に少し考えてから希望を述べていた。彼女の言葉に複雑な表情を浮かべるなのは。
とは言え、娘は小学生――。
特に「年頃の娘なのに練習しか頭にないのかしら? もっと、こう……色恋だったり、オシャレやスイーツだったり……そんな青春を謳歌した、女の子らしい可愛い予定はないの?」などとは考えていない。
そもそも当の本人がヴィヴィオの年齢の頃など、練習を通り越して『実戦』を謳歌していたのだから言える訳もない。
なのはは、ただ――
小さい頃はいつも自分の後ろをくっついてきた幼かった娘が、今では自分の足で立ち上がり歩きだしている。そんな娘の成長を嬉しく思う反面、親として寂しく思う。
それは彼女の言った『アインハルトさん』のこと。
碧銀の長い髪をツインテールにしている彼女――アインハルト・ストラトス。
ヴィヴィオと同じ魔法学院の中等科に通う、彼女にとっては憧れのお姉さん的存在の彼女。
そしてヴィヴィオと同じく、先人の意志を受け継いだ証し――紫と青の虹彩異色の瞳を持つ少女。
とあるキッカケで知り合い、共に歩み出すことになった2人。
今では出会ったばかりの時の様なアインハルトが発していた尖った部分も消え、同じ格闘術を習い始めてからは――互いに日々、思いやりながら楽しく切磋琢磨しているのであった。
そんな仲睦まじい2人の姿を想像して昔の自分と――フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
艶やかな金髪。腰の下あたりまで伸ばしたロングヘアーを、一房にして黒い大きなリボンで結んでいる。
なのはとは対照的に凛とした雰囲気の目鼻立ちと肢体。
つまり、なのはを『家庭的な印象の母親』とするならば、フェイトは差し詰め『仕事ができるキャリアウーマンな母親』と言ったところであろう。
とは言え、2人とも『家庭的な印象の、仕事ができるキャリアウーマンな母親』なので例えがおかしいのではあるのだが。
そんな、ヴィヴィオの『もう1人の母』である彼女。
それは高町親子が養子縁組をする以前の話――。
とある事件で身寄りのなかったヴィヴィオをなのはが『保護者』として当面の間、面倒を見ることになる。
まだ幼かったヴィヴィオに、そのことを説明をするのだが、全く理解を示さなかった。
その
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