第3話 出会いとキッカケ
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いた紙の上に造られた未知なる世界を旅しているのであった。
そんな少女の傍らには、彼女の無二の相棒。
外見こそウサギのぬいぐるみの姿をしているのだが、彼女の全幅の信頼を受ける存在の彼。
今は黙々と――今後の主を手助けする為、自分の知識を蓄える為。
彼女に寄り添い、本の世界へと共に旅をしているのであった。
自分の知らない世界や知識に興味がある彼女と彼。まさか、ほんの数分後に――
この世界には存在すらしていない、真新しい本の中のような世界。
見たことも聞いたこともない、そんな未知なる知識との出会いが訪れようとは知る由もなかった。
そう、今はただ――目の前の世界を楽しそうに飛び回っている彼女達なのであった。
○●○
「――ねぇ、ヴィヴィオ。ちょっと、良い?」
そんな憩いの時間を満喫していた少女の部屋に、ノックもせずに扉を開けて入ってきた彼女の母親――高町なのは。
少女の『2人の母』の1人であり、正式に養子縁組をしている本当の母親。
栗色の長い髪をサイドポニーテールにしている母性溢れる雰囲気を持つ女性。
大人の女性ならではの母性と包容力を感じさせるメリハリのある肢体。
とは言え、彼女達は養子縁組で成り立つ親子。本来ならば、なのはが少女の『実の母親』になれる年齢ではなかった。
その為に、少女の同級生の母親に比べると、年齢相応に若く愛くるしさを覚える目鼻立ちをしていた。
だが、養子縁組と言う負のイメージの部分を差し引いたとしても――
『若くて美人で優しい』『とても格好良い』『人懐っこくて愛嬌のある可愛いお母さん』と言う少女の友達や、その母親からの、羨望と絶大な人気で親しまれている『新米ママ』なのであった。
凛とした振る舞いは、大人の頼れる強さを醸し出している。しかしその反面――
少し間の抜けた部分に、娘ですら可愛く思えてしまう子供っぽい面も併せ持っている彼女。
それでも娘と一緒にいられる時間を大事に。娘を大切に思う気持ちは普通の親とは変わらない。
しかし、まだまだ彼女は新米ママ。
彼女もまた、娘と言う未知なる世界をママとして奮闘しているのであった。
彼女はベッドに寝転がっている自分の娘――高町ヴィヴィオに唐突に声をかけた。
「……あっ、ママ? ……なーに?」
――そうなのだ。奮闘中であるが故、娘の成長への配慮を見極め切れていないのだろう。
だが、この親子には当たり前の話のようで――ベッドに横になっていた彼女は自然の流れで、読んでいた本からなのはへと視線を移して声をかける。
そして本を枕元に倒して起き上がると、ノックもせずに突然入ってきたことに対して驚きも怒りもせず、普通に返答をしていたのだった。
「今度の試験休み、何か予定
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