マブラヴ
1490話
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口にしてしまったのも事実。
そう考えれば、崔が不機嫌になってしまうのもおかしくはなかった。
「悪いな、崔。忠告はありがたく受けさせて貰うよ」
「……良かったです」
言葉ではそう言ってるものの、やっぱりまだ崔の機嫌は直っていない。
それは、少しだけ膨れている頬を見れば明らかだった。
「それより、崔は明日どうするんだ」
主語を抜かした言葉だったが、それが意味するところは明らかだった。
つまり、明日にでも行われるMSとの模擬戦。
勿論本物の武器を使うのではなく、模擬戦用の武器をきちんと用意してある。
戦術機側は実弾兵器が主なので、ペイント弾。
近接戦闘用の長刀やナイフといったものは、刃が触れればペイント弾の塗料がつくようになっている。
ミネルバ隊側は、実弾兵器は同じくペイント弾で、ビームライフルとビームサーベルは威力を最小限にしているらしい。
……普通のMSなら問題ないレベルの威力で試してみたら、戦術機では全く持ち堪えられなかったらしいからな。その辺はミネルバ隊も大きく気を使っているのだろう。
「勿論参加します。こういう機会があるから、プロミネンス計画に参加したんですし」
「へぇ……随分と積極的だな。本当に大丈夫か? MSは戦術機とは比べものにならない程に高い性能を持っているし、何よりミネルバ隊はエース揃いだぞ?」
まぁ、実戦経験という点では明らかにマブラヴ世界側が勝っているが、それ以外ではミネルバ隊の方が上だしな。
そんな俺の言葉が気にくわなかったのだろう。崔は眉を微かに顰める。
「アクセル代表の言葉でも、それは納得出来ませんね。……分かりました、では模擬戦でこちらの実力をお見せしましょう」
「ああ、そうしてくれ。ミネルバ隊もそっちの方がいいだろうし」
「その代わり!」
「……うん?」
言葉を割り込ませるように言ってきた崔の言葉に、思わず尋ね返す。
そんな俺に、崔は照れくさそうにしながらも言葉を続ける。
「模擬戦で私達が勝ったら、そのデ、デ、デ……いえ、その、私のお願いを聞いて下さい!」
そう告げ、耐えられなくなかったかのようにチャイナドレスを翻してその場を去って行く。
……何人かの男が、スリットから見えた太股に目を奪われていたのは、言わない方がいいんだろうな。
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