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フリージングFINALアンリミテッド
UNLIMITED03――明日――
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との戦い、確かに君の身体能力やあらゆる部分ではスナに劣っていた。データ上ではな。それが、君は戦いの中でスナに追いついていくどころか、逆にハイエンドスキルを超越するに至ってしまった」

「君の戦いの中における成長速度は、我々の想定をはるかに超えていたのだ」

「……」

「今、この世界はノヴァという人類を超越する存在に混迷している。人間は自身の想像を超える存在には危機感を抱くものだ。君も例外ではない」

「俺の……存在ですか」

「そんな世界を築き上げてしまった自分自身を、死ぬほど恨んだよ」

「獅子王君の帰るべき場所を亡くしてしまった我々に、英雄や勇者を待ち望む資格などない。なかったのだ」

鉄格子をつかむアオイ博士の手に力がこもる。何処か悔しさが入り混じっているようだった。

「君が与えられた力は、君だけのものではない。戦いが終わった後の……『究極のコミュニケーション』を獲得する為には必要な力……戦う以外の力が必要になってくるのだ」

アオイ博士の気持ちを煽るように、冷たい風が空を切る。

「博士、俺は決して勇者であることを忘れたりしません」

「獅子王君?君は……」

凱はアオイ博士の瞳をじっと見つめて、言葉をつづけた。

「俺の身体や力が、人間が進化していくべき先にあるものなら、俺は走り続けます。進化の最先端を。例え俺が倒れても、後に続く者が進むべき道を……1歩でも2歩でも、俺は切り開いていきたい」

凱は左手を覗き込み、Gの紋章を浮かばせた。その仄かな輝きは、どこか寂し気に見えた。

「それが人間を超える力を与えられた、俺の使命なのだから」

「獅子王君……」

誰よりも優しい心を持つ凱にそのような言葉を掛けられては、涙腺がつい緩んでしまう。
だが、この涙を1滴でも流してしまう場合ではない。多くの咎を重ねた自分に、今は許されないことだから。








――獅子王凱の戦いは、まだ始まったばかりなのだから――
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