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ヒカリ:「、、、」
サトシ:「俺、今になって思ったんだ」
ヒカリ:「、、、何を思ったの?」
サトシ:「、、、大切な人達と別れて、
その人達にもう一度会える機会って
何回あるんだろうって」
ヒカリ:「、、、」
サトシ:「あの事件から15年間、
空白の時間の中で俺は、みんなに会いたいって
ずっと思ってた、、、」
誰にも言わずにいた自分の本心。
サトシはこの時、
初めて自分の本心を人に話した。
サトシ:「もしあの時山に篭っていなかったら、
通信教育じゃなくて誰かの元を尋ねていたら、
俺は大事な人達を
失わずに済んでいたかも知れない」
ヒカリ:「、、、」
サトシ:「母さんも失踪して、
誰が何処で何をしているのかも、
連絡先すらもわからないまま15年を生きてきて
気づいたら笑う事も忘れてたんだ」
ヒカリ:「、、、サトシ、、」
サトシ:「この前ヒカリにも言ったよな?
”1人って辛い”って」
ヒカリ:「あっ、、、、、うんっ」
ヒカリは以前のカラオケルームでの
出来事を思い出した。
サトシ:「俺も、、、1人は辛かった。
自分だけ取り残されて、俺だけ時間が
止まっている気がして、、、
生きる楽しさなんて、何一つなかった」
ヒカリ:「サトシ、、、」
サトシの心を知り、
自分と共感する気持ち以上に、
サトシを助けたい思いが込み上げてくる。
サトシ:「、、、だから俺、またこうやって
笑い合ったり出来る大事な人達と
もう一度会えたって事は、
偶然なんかじゃないって思うんだ!」
ヒカリ:「!」
サトシ:「、、、この先の自分に
はっきりした当てなんて何一つないけど、、、」
ヒカリ:「、、、」
サトシ:「、、、でも、一つだけ
はっきり言える事があるんだ!」
ヒカリ:「、、、それはなぁに?」
真っ直ぐな瞳でサトシを見つめるヒカリ。
サトシ:「今の俺には、
旅の中で出会った人達と、力になってくれる
ポケモン達がいる、、、」
ヒカリ:「、、、うんっ」
サトシ:「そして、、、今ここに、
俺の隣には、、、あの時別れたヒカリがいるっ」
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