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逆襲のアムロ
37話 まだ見えぬ夜明け 3.11
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「そのためにシロッコとも接触をしたりもした」

アムロはそうだろうなと思った。シロッコが色々知り過ぎている点が多々見られた。あの傑物は感性が鋭い。シャア以外でも時代の織り手とも話したりもしているのだろうと想像できた。それシャアも次に述べ始めた。

「彼は私以外からでも色々知ったらしい。まあサイアムからと考えてもよいだろう。彼なりにララァを管理下に置くことを考えたらしい。その動機は不明だが、彼なりにララァをどうにかしようとまたは人類の革新を視たかったのかもしれない」

シロッコの思惑は万人の及ぶところではない。理解できれば前の世界でもカミーユとも分かり合えたはず。アムロもシロッコと話したりしたが親しくなりたいと考えたことは一回すらなかった。

「いずれにせよ人を超越したララァを止めることは現段階では不可能となった。彼女の動向自体も想像つかない。気が向けば世界を滅ぼし、もしかしたら何もしないかも知れない。だがそんな不安定な存在を居座らせたまま、暮らすには人類は臆病だ」

アムロはシャアの今までの話に若干違和感を覚えた。ララァ自身の話していたこと。目の前のシャアこそが壊れては破綻し、魂を救いたいと言っていた。その事をシャアへぶつけてみた。

「この世界のララァはお前が壊れて危険な存在と言っていたぞ」

「・・・冒されていた当時の私の存在は世界にとっては非常に危険だ。お前は力を触れずに来たが為、ララァは記憶だけを呼び覚ました。私は違う。あの力に触れたことがある。その事をこの世界へ飛ぶ時に大いなる意思の片割れを私が保持していたことを感覚で知っていたのだ。」

シャアの答えにアムロはララァの話を得心した。

「成程な。シャア、君も人智を超えた力に利用されることをララァは危惧していたんだ。そんな力に触れることが人を狂わす程の麻薬ような誘引作用を持っていることを」

アムロの言うことにシャアは頷く。

「制御できる力でない故にサイアムに出会えたことが奇蹟だったのかもしれん」

「だがお前とサイアムはそれで終いにはしなかった」

アムロは冷静にシャアを弾劾した。シャアは俯く。

「・・・返す言葉もないな。結局はその力の名残が私を驕りに駆り立てた」

「きっかけはシャアとサイアムの人類への挑戦。政治は世論で動くがそれが全てでない。拾えない声すらお前たちは拾うことを可能にするサイコミュを使い、人類の総意を求めた」

「その過程で触れてはならない領域まで成長するとは人の可能性を図り損ねた」

シャアが困った顔をしていた。しかしながらそれに責任を感じることはない。アムロにはそう見えていた。だからと言って特別怒りも感じない。アムロの中でこの7年間であのアクシズの戦いは終わっていた。シャアに覇気はなく、世捨て人の様な存在
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