37話 まだ見えぬ夜明け 3.11
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その領域へ踏み入れることのできる存在が出ることも考慮していた。大抵はあの砂嵐の結末の様な状況となる」
アムロはシャアがあの戦いを何処かで見ていたことを知った。シャアはその事を人が人ならざる領域へ踏み入れた結果だと告げた。
「・・・全ては人の強い想い、願いがサイコミュへフィードバックされて起きた現象と?」
「そう捉えている。ナガノ博士もそこを問題視していた」
アムロはそこでナガノ博士の話が出てきたことに驚いた。シャアは「ちなみに君の御父上とは接点はないから安心したまえ」と一言添えた。
「サイコミュで起きる現象全てが今までの科学を覆す事象。それは周囲の意思の力と。普通に考えて在り得ない。非科学的だ。しかし現状で起きている出来事。脳波を利用してファンネルを使うことすら私らは自然と技術転用で使われていたがアレも不自然だ」
「それも理と?」
「そうだ。さて話を戻そう。私がララァにおぞましさを感じ、近付かなかったのはその大いなる意思を呼び起こす訳にはいかなかったからだ」
シャアはゆったりと話していた。夜明けを待つ様な穏やかな話し方で。
「お前との出会いでララァの持つ力の片鱗を呼び起こしていた。私も触れたことのある忌むべき力。あの力の一部で人を狂わす。だから私との出会い、触れ合いが全てを覚醒させてしまうと感覚で理解できた。私らがこの世界へ転送されたとき、大いなる意思も一緒に転移してきた」
アムロは無言で話を聞いた。
「大いなる意思とは、あの時代までの人々の想い、願いだ。それも一緒になってこの世界へやってきた。その力に運よくお前は触れずに来れたみたいだが、私は多少取り込まれた。だからララァの異質さも感じ取れた。その多くの残りはどこへ行ったかというと・・・」
アムロはシャアの答えを先に述べた。
「オレとお前、2人があの時代の想いを乗せてこの世界へやって来た。そのオレたちの想い、共通項はララァか」
「そうだ。あの時代の想いをこの世界のララァが全て背負い、同化した。最早狂う以上にララァは変化を遂げた。今のララァとは大いなる意思の事だ。アムロ、お前も私も知らない彼女になったのだ。彼女こそが理に触れることのできるニュータイプ。・・・いや、彼女こそが理なのかもしれん」
シャアは胸からタバコを取り出して火を付けた。
「宿命はそうは変わらん。時代的に揺らぎがあまりなければ、ララァは不幸にも命を落とすだろうと考えた。この時代のシャアが見出して戦場へ誘い、お前にしろ誰かに殺されると。私はそれに賭けた。何故なら情けないことに私はララァを殺せない」
アムロはシャアがララァを愛していたことを知っていた。それ故に違うが見た目が同じなララァを危険視しても直接には手を下すことができなかったんだと。
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