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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百八十七話 悪縁
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も順調だ、但し冷や冷やしながらだが。
討伐軍が出撃するや否や司令長官が襲撃され、命を取り留めたと思ったら貴族連合軍がオーディンに押し寄せる。司令長官自ら敵を各個撃破、その後はレンテンベルク要塞を攻略、オフレッサー上級大将は戦死……。
無茶苦茶だ、事が起きるたびに一喜一憂させられた。司令長官が無茶をする人だと言うのは分かっている。熱でフラフラになりながら反乱軍と交渉したり、オーディンを事実上の戒厳令下においたり……。でも今は司令長官なのだ、もう少し落ち着いてくれ。
私だけじゃない、フェザーン方面軍の司令官達は皆そう思っている。正規艦隊の連中も同様に違いない。
「ところで反乱軍、いや同盟軍だな、彼らに動きがあった」
「……」
「自由惑星同盟軍三個艦隊がフェザーンに向かって進んでいる。彼らはランテマリオ星系にまで来ているようだ。フェザーンまでは後二十日といった所だろう」
三個艦隊か、戦力はおそらくこちらと同等だろう。しかし今の反乱軍にとってはなけなしの戦力だ、それを出してきた。どう取るべきか? 何としてでもフェザーン回廊を守るという意志か、そのためには戦争も辞さない?
「同盟政府からは何か言ってきましたか」
「いや、未だだ。この情報は懇意にしているフェザーン人から教わったもので二、三日後にはフェザーンでも結構な話題になるだろう」
「……」
「ま、その時点で同盟に対して抗議するつもりだ。このままでは戦争になる、それで良いのかとな」
レムシャイド伯は穏やかに微笑んでいる。どうやらこの御仁もかなり喰えない男らしい。もっともそれだけに反乱軍との交渉では頼りにはなるだろう。
「こちらの事は如何です。やはり噂になっておりますか?」
「もうとっくに噂になっている。通商路の護衛のために艦隊を動かしていると周囲には説明している」
「信じますかな?」
「今は信じているだろうな。しかし、同盟軍がフェザーンに向かってくれば状況は変わるだろう」
確かにそうだ、帝国、同盟の両国が軍をフェザーンに向けているとなればどんな馬鹿でも狙いはフェザーンだと思うだろう。その瞬間からフェザーンは大混乱になるだろう。
「同盟軍がフェザーンに着くまで後二十日ですか、こちらは余裕を持って先にフェザーンに着けますが」
私の言葉にレムシャイド伯は軽く首を振った。
「焦る事は無い、シュムーデ提督。フェザーンを取られて困るのは我らではない、むしろ同盟のほうが持て余すだろう」
「では?」
「あえて、同盟軍をフェザーンに攻め込ませようと言うのがリヒテンラーデ侯の御考えだ。卿も意味は分かるであろう?」
分からないではない、司令長官とも話したことだ。今の同盟にフェザーン、イゼルローン両回廊を維持できるだけの戦力は無い。いずれ同
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