第38話 引っかかり
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くなさそうにしている。つまり何かを知っているのは、かの有名な綺羅ツバサということだ。なぜあの人が関わっているのかわからないけれど、とにかく進めるためにはあの人と会わなきゃいけない気がして。
「あの人に...会えることはできますか?」
無意識にポツリと呟いていた。
特段驚くことなく、寧ろこうなることが分かっていたかのような笑みを浮かべて。
「もちろんよ。というか、これからここに来るのよ?μ`sの皆さんと一緒に」
「....は?え、あぁいや...は?」
「うふふ、その表情可愛らしくて素敵よ♪」
遊ばれているのはひとまず置いといて。
「もしかして、優木サン、こうなるってわかってました?ああいや、こうなるように企てましたね?」
「あら、なんのことかしらぁ〜」
その一言に、俺は大きくため息をこぼす。
やはりこの人は苦手だ。完全に俺らを嵌めやがった。かといって愚痴るのも気が引けるので、大人しく珈琲を啜ることにした。
....しばらくして。
カランコロンとぞろぞろ大人数で喫茶店に押しかけてきたのは予想、というよりほとんど綺羅ツバサと優木あんじゅの策略に見事はまってしまったμ`sの各メンバーでございましたとさ。おかしい、二時間ほど前に別れたばかりなのにまた会うことになるとは。
いつもどおりの顔ののぞまきと、伝説というか英雄のごとく崇められているA-RISEを前にして興奮を抑えきれていないにこぱな。訪れた喫茶店の豪奢な雰囲気に圧倒されていることうみ、それと絵里は平常運転。いまだに現実を受け入れ切れていなさそうな間抜けな顔で照明を見上げているのはバカコンビのほのりん。
そして、その後ろには。
「あんじゅ、お疲れさま!助かったわ」
「いえいえ〜どういたしまして〜。この子早く帰りだそうとするから引き留めるの大変だったのよぉ。おかげで大事なことなんて大袈裟に言ってしまったわぁ」
「おまっ!?やっぱてめぇそんな大した事じゃなかったんじゃねーか!ふざけんな、焦っただろ!」
「だってぇ〜私には本当に大袈裟なことじゃななかったしぃ」
A−RISEのリーダー、綺羅ツバサが立っていた。映像で見た時よりも小さいなと思った。どこがとはいわないけれど。そんなことを考えていたなんて本人はつゆ知れず、俺の前に歩み寄るといきなり右手を差し出してきた。
「はじめまして、というのも変かしら?A-RISEリーダー、綺羅ツバサよ。よろしくね笹倉大地くん」
「あ、あぁ。初め...まして」
俺と綺羅ツバサは握手を交わす。俺より背の低い彼女だけど、存在感や身に纏うオーラは断然俺よりあって、自信に満ち溢れた表情は、俺に”劣等”とい
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