第38話 引っかかり
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お願い」
「かしこまりました」
「いや待て、自分で出しますから」
人の話を聞かずにポンポンと話が進んでいく。
困る...どこぞの誰かみたく、ほんと困る。それがいつも仲良くしてるメンバーならそこまでではないんだが、初対面なこの人からされると不快しか感じない。
「はぁ...で、話とは」
「まぁまぁそんなに急かさなくてもいいのに〜」
「俺にも用事というものがあるんですから。それくらいは考えてほしいものです」
マイペースな口調でカップの中の珈琲をスプーンでくるくる回しながら優木は「ちぇっ」と呟く。
俺の中で彼女の印象は最悪だった。更に付け足すと、”A-RISE"そのものがこうなんじゃないかという気持ちになってしまう。
「どうして笹倉くんはあの子たちのサポートしてるのかな?」
「どうして優木さんに話さなければならないのですか?」
「いいじゃないのぉ話してくれても。同じスクールアイドルに関わる身としては知っておきたいじゃない?」
「俺はそこまで貴女方に興味はないです」
実際そう思ってる。
人気があるのは客観的に見て頷ける。曲調、歌詞、衣装、振り付け。
全てにおいて今の若者を惹きつける。三人とも可愛いのは否定できない。
僕の隣にいる優木あんじゅもこうして近くで見ると綺麗さと可愛さが増して見える。気のせいだと思いたい。
「酷いなぁ〜も〜。私たちはあの子たちに興味持ってるのにぃ〜」
「は?優木さんが...あぁいや、A−RISEが?なんで」
彼女たちは一位、対してμ`sのみんなはなんとか上り詰めたまだまだ新参者だ。
だからこの人が、彼女たちに注目する理由が理解できない。
疑問符を浮かべる俺とは裏腹に優木あんじゅは、意味ありげにふふふと頬を釣り上げて微笑む。
「なんでって、当然の事よ。たった数か月で上位に入り込んで、『私たちのライバルになるかもしれない』と思われていたグループがラブライブ!直前になって辞退した。理由はわからないけれど、そういった行動が目に付いたってことよぉ」
「あーそうですか」
「なによぉ、つれないわね」
俺のそっけない態度につんと口をとがらせる優木。確かに優木あんじゅの言う通り結成して僅か数か月でこの上がりようは普通じゃない。どんなことであれ、始めてすぐに成果を出すのは容易なことじゃないし、普通に考えて裏があってもおかしくないし、仮に俺が優木あんじゅの立場だとしても同じことを考えるだろう。
「聞かせてもらってもいいかしら?」
「...企業秘密」
「そう」
「優木サンも同じこと言ってましたからね。話したくないことなので謹んで遠慮させていただきます」
無表情で珈琲を啜る。よく、失
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