405部分:第五十六話 ミロ出陣その二
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第五十六話 ミロ出陣その二
「では今よりアンデスに向かいます」
「頼んだぞ。国はだ」
「ペルーでしょうか」
「そうだ、ペルーだ」
ミロの問いに対してその通りだと返すシオンであった。
「その国だ。ペルーだ」
「あの伝説のエルドラドがあったという国」
そのことはミロも知っているのだった。ペルーはそこに多くの今では消えてしまった歴史を内包しているのである。そうした国なのだ。
「あの国に行ってもらいたい」
「そしてそこで狂闘士達を倒して御覧にいれましょう」
「うむ。敵は今回もおそらく十人だ」
「はい」
「こちらもいつも通り出す」
数は変わらなかった。今回も。
「白銀の者が二人に青銅の者が四人だ」
「その者達には休んでもらいます」
だがミロはここでこう言うのであった。
「出陣する必要はありません」
「御前一人で充分だというのか」
「そのつもりです」
「いや、ミロよ」
自信に満ちた声を出してみせる彼に対してだった。アイオロスが声をかけてきたのであった。サガと並ぶ黄金聖闘士達のまとめ役でである彼がだ。
「それは駄目だ」
「駄目だというのか」
「そうだ。確かに御前の力はかなりのものだ」
それはアイオロスも認めるところであった。伊達に黄金聖闘士の一人ではないということである。
「しかしだ。敵は十人だ」
「ならば丁度いい数だ」
「いや、貴様の実力は八大公と伯仲している」
「あのうちの一人とか」
「そうだ。御前にはその八大公の相手をしてもらわなければならない」
こうミロに対して告げるのだった。
「無論他の狂闘士達の相手もあるのだがな」
「それをやってみせると言っているのだが」
「焦る必要はないということだ」
アイオロスはこうも彼に言ってみせたのであった。そうしてシオンに対して顔を向けてそのうえでこう申し出てきたのであった。
「教皇」
「うむ」
「今回は私が参ります」
こう告げたのである。
「このアイオロスが」
「言ってくれるか。ミロと共に」
「喜んで」
今度は彼が行くというのである。サガに代わって。
「行かせて頂きます。中東の時と同じように」
「わかった。では頼むぞ」
「畏まりました」
「教皇、別にアイオロスも共に行かずとも」
ミロはそれがまだ不服であった。それでその眉を無意識のうちに顰めさせてしまいそのうえでシオンに対してまた言うのであった。
「このミロ一人で」
「アイオロスも言ったが焦る必要はない」
シオンもまた彼に告げたのであった。
「戦いにおいて焦りは破滅の元なのは知っている筈だ」
「それはその通りですが」
「ではわかったな」
これ以上はミロに言わせない強い口調になっていた。
「ペルーにはミロと。そして」
「このアイオロスが
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