第百十八話
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々と反転をし続けるストーンゴーレムの破壊であり、さっさと済ませようと刀の柄に手を添えた。
「……よし」
瞬間、精錬な気配を身体が纏う。視界もクリアになっていき、ストーンゴーレムの動きが手に取るように分かる。とはいえ、本当にそれほどの敵ではなく、出来る限り早口で魔法を詠唱していく。
唱えるは風を発生させる魔法。それを鞘の中に押しとどめ、さらに《疾風》を刀身に付与させるアタッチメントを装着し、鞘の内部では台風のような旋風が舞い踊る。その旋風を高速の抜刀術によって、一気に刃状にして解き放つ――何人をも斬り裂くカマイタチだ。
「もってけ――」
「――ダブルよッ!」
放たれたカマイタチがストーンゴーレムの身体を両断し、その両断した身体をリズのメイスがバラバラに打ち壊す。あっさりとストーンゴーレムはインゴットに生まれ変わり、視界にクエストクリアの証が表示される。
「ちょっと。クナイがあるってどういうことなの?」
「……ショウキ?」
そしてクエストクリアの感慨を感じる暇もなく、訳も分からずリズに案内されたグウェンが、面倒くさそうに聞いてきた。リズの言わんとしていることが大体分かってしまう俺は、ポケットの中に入っていたクナイを取り出すと、溜め息混じりにグウェンに見せた。
「こちら、お求めの商品となっております」
「言い値で買うわ」
予想以上の食いつきに引いている隙を突かれ、手中にあったクナイが奪われてしまう。あくまで物理的に奪われただけなので、まだ所有権はこちらにあるので慌てることはないが、目を輝かせて眺めるグウェンに「返せ」と言い辛い雰囲気が出来てしまう。
「リズー! ちょっと待っててー!」
「って、何やってんのよ……」
もう発生することはないが、残った《リバーススタンプ》を処理していたユウキにレインだったが、どうやら暴れすぎて他のモンスターも出て来てしまったらしい。レインがOSS《サウザンド・レイン》で射出した刀剣類を回収している最中、どこかから現れた狼に襲われているのを見て、リズは翼をはためかせてそちらに向かう。
「ちょっと」
俺もリズに倣ってそちらに向かおうとしたものの、グウェンに腕を捕まれて引き留められる。その表情には、どこか心配そうな表情が浮かんでいた。
「あいつ……いや、あんたたち。何考えてんの?」
「何……というと?」
「私、あんたらを襲ったPK集団の、それもリーダーよ?」
「何された訳でもない」
グウェンが指揮したPK集団からの襲撃は幾度かあったものの、威力偵察程度だったために特に被害はない。比べれば、こちらに壊滅させられたあちらの方の被害が大きいだろう。
強いて言えば、ルクスが拉致されたことがあったが
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