第百十八話
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エリアと思われる場所の境界線で反復横飛びをするだけで、ストーンゴーレムは標的変更しか出来なくなる。ずっと反復横飛びしていたら疲れるだろうが、まあ別に歩き回るだけでいい。
「これは酷い……」
黒いコートに付属する《隠蔽》スキルを発動し、フィールドにいる他のモンスターの襲撃に対策を打ちながら、俺はストーンゴーレムに同情しながらエリア内外の境界線を歩き回る。そんなところだけ優秀というか、目の前で発動していた為に、ストーンゴーレムに《隠蔽》スキルは効いていない。
「あっちは、と……」
もう少し骨の折れる作業かと思っていたが、割と簡単に終わったので、森の入口の方を眺めるほどに余裕がある。そちらでは無限に現れる《リバーススタンプ》と激闘を繰り広げているらしく、会話が聞こえる位置の境界線まで歩いて移動する。
「――ちょっと! 何それ……?」
「――え? OSSだけど」
そして耳を澄まして聞こえてくる声に耳を傾けると、まずはグウェンとレインの声が聞こえてきた。魔法をも伴ったレインのOSS《サウザンド・レイン》により、《リバーススタンプ》は出現した瞬間に剣に貫かれ、正直に言ってしまえばグウェンの出番はなかった。何しろグウェンが近づいてソードスキルの連撃を叩き込む必要があるにもかかわらず、レインは一歩も動くことなく、高速で飛来する剣によって仕留めているのだから。
「いやー、助かるわレイン! もうシューティングゲームみたいになってるけど」
「レインちゃんとしては作業ゲーな気分かなー?」
「……さっさと素材ゲットして帰りたかったのに」
別の場所で戦っているユウキやリズに倣って、グウェンも愚痴りながらレインの攻撃範囲から離れていく。そして目にも留まらぬ速度で大暴れしているユウキを見てピクリと止まり、リズのいる方向へと歩きだしていく。
「忍刀を作る素材なら、もういらないんじゃない?」
「忍刀じゃないわ。投剣用のクナイよ、サブウェポンの」
――主流じゃないから、めんどくさい素材がいるのよね、とグウェンの言葉は続く。それを聞いたリズはニヤリと笑うと、どことなく悪い顔をしてこちらに嫌な予感を感じさせた。
「クナイ? ならなおさら、いっぱい持ってる奴がそこに……ねぇ?」
そんなクナイを巡る話の流れから、リズがこちらを振り向いた。バッチリとリズにグウェンと目が合って、反射的にクナイが入ったポケットを守るように抑えた。
「リズ! こっちに牛も出て来た! 牛!」
「よし、牛肉もゲットよ! ……それじゃ、そろそろ食べきれないほどゲットしたし、締めましょうか!」
そう言いながら、リズはグウェンを引き連れてこちらに飛翔してくる。このクエストの達成条件は、俺の目の前で延
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