第百十八話
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フロアボスを1パーティーで攻略した連中を見てみたいーって、それで手土産にお肉貰って」
確かにシャムロックの本部を見てみれば、今まで少なかったサラマンダーのプレイヤーが増えており、キリトと話し込んでいるユージーン将軍など、中にはサラマンダー領の有名なプレイヤーの姿もあった。特にスリーピング・ナイツのメンバーは質問ぜめに合っており、ノリが帰ってきたこちらに気づいた。
「あのインプの子! あの子があたしたちのリーダーだから、あの子に聞いて!」
「え!?」
ノリの一言で視線がこちらに――というかユウキに集中し、残った俺たちはそそくさとユウキから離れていく。それから一瞬後にユウキはプレイヤーたちに囲まれ、逃げるのが遅れていたらどうなったか考えゾッとする。
「うわー……あ、お姉ちゃん、ライブの後は休憩しててあんまり食べてないでしょ? 一緒に食べよ!」
「う、うん……」
レインの中では、恥ずかしくて部屋の片隅で体育座りするのが休憩なのか――などと口から出そうになったが、レインの名誉のために実際に口に出すのはやめる。決して、セブンに腕を引かれて去っていくレインから、視線で念を押されたわけではなく。
「えっと、私は……」
「グウェンはこっち、だろ?」
誰かを探してキョロキョロと辺りを見渡していたグウェンの肩に、ポンとルクスの手が置かれた。もう片手にはジュースが入ったコップが2つ入っており、片方はグウェンに渡していく。
「ありがとう。グウェンのおかげで、こうしてみんなでパーティーが出来るよ」
「ルクス! そ、その……」
「何だい?」
「今まで……ごめんなさい。これからまた、よろしくお願い……しても、いいかな」
俯きながら謝罪するグウェンに対して、いつもの柔らかい笑顔のまま、ルクスはグウェンの頭を撫でていた。驚いてその場から飛び跳ねたグウェンだったが、そちらに手を差し伸べていたルクスの手を、おずおずと受け取って歩き出していく。
「ああ。これからまた、よろしく。……それじゃ、私の仲間たちの紹介から」
「う……また謝らないとね……」
そんな会話をしつつルクスとグウェンもまた、先の二人のようにどこかに歩いていくが、グウェンは何かに気づいたようにピタリと足を止める。そして少しだけ頬を赤く染め、俺とリズがいる方向へと振り向いた。
「……ありがと!」
……それだけ、怒鳴りつけるようにこちらに伝えてきながら、グウェンはルクスの手を引っ張って無理やり走り出していく。ポカンとしてしまう俺とリズだったが、すぐさまどちらからともなく笑みがこぼれた。
「……良かったわね、ルクス」
「ああ。ナイスな展開になったってことで――」
「――二人は、これから
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