第百十八話
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キューの土台をセットした俺たちだけの秘密――ということになっていた。今は多分、この場にいる中では、知らないメンバーの方が少ないが。
「なんでそんな秘密にしたいの?」
「だ、だって……恥ずかしいじゃん……」
「大丈夫大丈夫。女の子だって焼き肉食べたい時だってあるわよ!」
そんなんで幻滅するなんて、女の子に幻想持ってる奴だけよ――などと、リズはユウキの背中を叩きながら大らかに笑う。それに関してはスルーさせて貰うと、俺は辺りをキョロキョロと見渡していた。
「もう、リズ! ……それで、行かないの?」
「いや、もう一人誘ったん……お、来た」
「お待たせー!」
背中を叩いてきたリズから、こちらの背中にユウキが逃げてくるとともに、そのもう一人誘ったという人物が到着する。真紅のショートカットが目立つ、エプロンドレスのような服装に身を包んだ彼女。
「あ、レイン! さっきのライブ、凄かったよ!」
「ありがと! ユウキも買い出しの手伝い?」
「うん!」
このバーベキューパーティーの前座――というか本命――のライブにおいて、レインはぶっつけ本番ながらも、現役アイドルのセブンに負けずとも劣らぬ歌と踊りを見せてくれた。遂に再会した姉妹同士の共演は、見ていてとても嬉しそうで、アイドルとしての二人を知らない俺でも心を動かされるものだった。
「本当に……その……凄かった!」
「それはさっき聞いたよー」
そしてライブが終わった後に、羞恥に顔を髪と間違えないほど深紅に染めながら、部屋の隅で体育座りをしているレインを発見した。どうやらライブが一段落して、自分が何をしたのか改めて実感したらしく、見ていられないほど狼狽していた。そんな自分の姿を、セブンには決して見せない辺りはレインらしいが。
「もう落ち着いたか?」
「ん? ショウキくんが何言ってるのか、ちょっとレインちゃん分かんないなー」
「はいはい。さっさと行くわよー」
どうやら落ち着いたらしい。そうしてリズの合図でもって、俺たちはパーティーに興じているメンバーに気づかれぬように、シャムロックの本部から飛び去っていく。とはいえ本部はそう街中から離れている訳でもなく、すぐ商店街のエリアに到着する――が、そこをすぐさま通り過ぎた。
「あれ、ここで買い出しするんじゃないの?」
「もっといいとこがあるのよ。着いてきなさい!」
そうして先頭のリズは少しスピードを上げると、街から外れてSAOでいうところの《圏外》に出て行き、その一角にある森の入口に着地する。残る三人も揃って着地すると、話の見えないユウキとレインがキョロキョロと辺りを見渡した。
「ここにお肉があるの?」
「ええ。レプラコーン……っていう
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