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幽雅に舞え!
チャンピオンとの決戦!
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だ!」

 ブルンゲルとオーロットがお互いの体に絡みつき、体力を奪っていく。しかしオーロットの攻撃は回復も兼ねるため、ブルンゲルの方が不利に思われるが――

「ブルンゲル、自己再生!そして呪われボディの特性効果発動、貴様のウッドホーンを封じる!」
「くっ……下がれオーロット、身代わりだ!」

 オーロットの体が周りの木々と入れ替わる。ブルンゲルもすぐさま離れて体勢を整え、体力を回復した。

「さらに影分身!」
「ちょこまかしやがって……ブルンゲル、妖しい風!」
「ゴーストダイブで避けろ!

 分身を増やそうとしたところにこの場全体を不気味な風が吹き荒れ、さらにそれを影に潜り避ける。そして地面から強烈な一撃を見舞おうとするが――

「溶ける!」

 ブルンゲルの体が、ぐにゃりと歪んだ。オーロットの体が空を切る。

「ブルンゲル、オーロットの体を取りこめ!」
「何っ!」

 ブルンゲルの体がスライムのようにオーロットにまとわりつき、その体を包み込んだ。オーロットがじたばたともがくが。脱出することは叶わない。

「そのまま海に潜り込め!」
「まずいっ……オーロット、根を張る!」

 海へ移動しようとするブルンゲルに対して、その場で根を張ることで身動きを封じる。だがそれは自分自身の動きも封じてしまうのと同じだ。

「はっ、自ら墓穴を掘ったな!ブルンゲル、シャドーボール!」
「……オーロット、道ずれだ!」

 使いたくなかったが仕方ない。とオーロットに命じる。シャドーボールは直撃しオーロットの体が倒れるが、ブルンゲルも道ずれの効果を受けて倒れる。

「ふん……そいつに頼って何とかことなきを得たか。だが――」
「なあシリア」

 ボールにポケモンを戻しながら、シリアを遮ってサファイアは言う。シリアが眉を顰めた。

「シリア――本当に、今のシリアが本気なのか?」
「ああ?どういう意味だてめえ。ぎりぎりで互角で持ち込むのがやっとのくせによ」
「違う。そういうことじゃない」

 サファイアは目を閉じ、意を決してシリアに告げる。それはこの前戦った時にも感じたことだった。


「好き嫌いの問題じゃない。俺が憧れてきた、相手を引きたてながら優雅で幽玄なバトルをする。相手の攻撃をうまくかわしながら強烈な一撃を決めるシリアの方が……今のあんたよりずっと、強く見えるんだ」


 確かにシリアのバトルはこちらの方が元々のものなのだろう。サファイアの憧れてきた『幽雅に舞う』シリアの姿は偽りでもあっただろう。でも――サファイアにはそちらの方が強く、素晴らしく思えた。

「ここまでバトルをして、やっぱりそう思うんだ。……俺はまだ、本気のシリア
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