第十八話 墓参りその十一
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「ですから」
「ではこの場合は」
「お金でも宝石でも財宝でも芸術品でもです」
「贈りそうして」
「はい、味方になってもらいましょう」
マリーに対して話した。
「そうしてです」
「法皇庁に働きかけ」
「彼等をこちらも制御出来る様にしましょう」
これがデューダー卿の彼等に対する考えだった。
「いざという時に」
「司教とは別に」
「そうです」
「それでは」
「軍でもです」
キャスリング卿はここでも軍人だった、そのうえで言ったのだった。
「彼等に対するものがあれば」
「はい」
そこでというのだ。
「軍人といっても色々な者がいます」
「だからですね」
「その中で彼等に対抗出来る者がいれば働いてもらいましょう」
「そうして異端審問官達を防ぐ」
「デューダー卿の言う通りです」
キャスリング卿は同僚も見て言った。
「やはり彼等には二重三重と備えるべきです」
「危険な存在であるだけに」
「放っておくとどれだけの犠牲が出るかわかりません」
まさにというのだ。
「この国の中に」
「そうですね、彼等は」
マリーもキャスリング卿のその言葉に頷いて答えた。
「そうでもしなければ」
「防げないので」
「では」
「戦いましょう」
「是非」
こう話してだ、そのうえでだった。
マリーは側近達に墓参りへの同行を認めてだ、そして。
異端審問官達への対策も進めることにした、この国の為にも。
マイラはこの時オズワルド公、そして司教と共に歴代の王がそれぞれの王妃達と共に眠っている聖堂に向かっていた。その時にだ。
すぐ後ろにいるオズワルド公にだ、こう囁かれた。
「ご注意を」
「王国の者がいますか」
「はい」
こう囁くのだった。
「どうやらマイラ様だけでなくです」
「旦那様、そしてですね」
「マリー様もです」
三人のというのだ。
「見ています」
「そしてあわよくば」
「彼等にとっては」
「そうなのですね」
「一見するといるのは民達だけですが」
兵達が警護している道からだ、マイラは彼等に見られている。一見するとそうだが実はというのである。
「その中にです」
「紛れ込んでいますか」
「目の鋭い者達が何人か」
明らかに普通の民の目でない者達がといるのだ。
「います」
「では」
「兵達が守っています」
今はというのだ。
「ですからご安心下さい」
「わかりました」
「そして怪しい者達は」
さらにだ、オズワルド公はマイラに囁いた。
「兵達に声をかけさせることにしています」
「声をですか」
「そうです」
まさにというのだ。
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