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Three Roses
第十八話 墓参りその八

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「鉄砲や大砲で装備していきましょう」
「剣や弓矢よりもですか」
「はい、火器です」
 即ち鉄砲や大砲をというのだ。
「それで装備していきましょう」
「軍も大きく変わりますか」
「そうです、国家そしてその主である王の軍であり」
「鉄砲や大砲で装備した」
「そうした軍隊であるべきなのです」
 陸軍も海軍もというのだ。
「ですからマリー様はです」
「将兵達の前にも顔を出し」
「お話をお聞き下さい」
「兵士達に対してもですね」
「無論です」
 将兵と言ったからにはというのだ。
「その通りです」
「そうですか、兵士達にも」
「お嫌ですか」
「いえ、そうあるべきだと考えていました」
 自分の考えでもあったのだとだ、マリーはキャスリング卿に述べた。
「民の前に顔を出すことです」
「王族は」
「そして語り合うべきですから」
 こう考えているからこそ、というのだ。
「是非共」
「それでは」
「軍を掌握すれば」
 キャスリング卿はマリーにさらに話した。
「非常に強いので」
「武力を持てばですね」
「そうです、国王のみが武力を持つ」
「そうすればですね」
「最初から誰も逆らいません」
「叛乱がなくなりますね」
「あくまで国王のみがです」
 こう言うのだった。
「そして常に掌握すべきです」
「その軍を」
「若し手を離せば」
 即ち掌握しなければというのだ。
「彼等自身も叛乱を起こすことが考えられるので」
「常に、ですね」
「掌握しておくべきです」
 軍隊をというのだ。
「それが大事です」
「そうあってこそ国はまとまるのですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ですから」
「わかりました」
 確かな声でだ、マリーはまたキャスリング卿に答えた。
「それもまた王の務めですね」
「国の為の」
「それでは」
「出来れば」
 今度はロドネイ公が話した。
「私が考えていることはです」
「と、いいますと」
「マリー様がです」
「軍隊を、ですか」
「今から影響を強めていくべきですか」
「王がおられるのでは」
「王と共にです」
 まさにというのだ。
「そうあるべきなのですが」
「そうですか」
「しかしマリー様は女性です」
 ここでキャスリング卿は顔を曇らせてこのどうしようもない現実を述べた。
「女性はです」
「軍については」
「動かせないので」
「直接ですね」
「戦場に立つことは出来ません」
「そしてそれが為に」
「軍を動かすには制限があります」
 どうしてもというのだ。
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