第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#11
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREV 〜Glass Melody〜
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を見越して構えていた花京院が、
拳にパワーを集束させたスタンドと共に挑みかかる。
「ドゥー・ユー・アンダスタン?」
無敵のスタンドを、その知性と技術で完全に打ち破った爽やかな表情で。
そう、完全なる勝利。
誰しもが、疑いのようのない光景では在った。
花京院は無論、その彼と相対する者でさえも。
故に 『黄 の 節 制』 本体、
ラバー・ソウルが取った行動は半ば自棄、一縷の希望に縋るようなモノ。
だが、ソレ、は……
「!!」
予期せぬ眼前の 『姿』 に、花京院の心が凍りついた、連動してスタンドも止まる。
自分でも理解不能の、驚愕とも言い難いナニカによって、呼気を吐き出す事も出来ない。
状況は、はっきりと認識している。
それらスベテを充分に熟知していながら、でも、それでも、
花京院の躰は止まってしまった。
長い栗色の髪と深い菫色の瞳。
艶やかなタイトスーツと洗練されたグラスをかけた女性の眼の前で。
(……)
鼓動が、狂おしい程に脈を打ち、冷たい雫が頬を伝う。
目の前の人物が 「本物」 でないと解っていながら、
その後に待つ結末を理解していながら、
それでも花京院は “彼女” を攻撃する事を躊躇った。
理由は解らない、繰り返す自問、
『ソレは命よりも大切な事なのか?』
結論が出るよりも速く、千載一遇の好機を覚った相手が、
花京院にとって何よりも残酷な声で言った。
「ありがと、ノリアキ」
ヴァッシュアアアアアアァァァァァァァァァァ―――――――――――――――!!!!!!!!!!
即座に撃ち出された、 “彼女” が遣うモノと寸分違わぬ群青の爪。
ソレが花京院の胸元をスタンドごと三連に切り刻む。
舞い散る血飛沫、ブレる視界、完全勝利から一変、完全敗北への転落。
糸の切れたマリオネットのように地に伏する花京院の脳裡で、
『本物の』 彼女の姿が過ぎった。
誓った 「約束」 追憶の情景。
(すいません……ミス……マージョリー…………)
今もあの場所にいるのだろうかと、薄れる意識が途切れるその時まで、
花京院 典明はマージョリー・ドーの事だけを想っていた。
←TOBE CONTINUED…
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