第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#11
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREV 〜Glass Melody〜
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かってくれるとはな。
言った筈だぞ? この夥しいスベテの肉塊が我がスタンドだと!
故にその一部を相手のスタンドに癒着させるなど造作も無き事ッ!
そして一度喰らい付いたスタンドは絶対に引き剥がす事は出来んッ!
その部分を切断せん限りな!
クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!」
殺意に浮かされた哄笑を上げ、もう一人の自分がスタンドを一斉操作する。
周囲一体を覆う黄色の濁流が、花京院に襲い掛かる。
「む……く……!」
その細身の躰、至る所にスタンドが絡み付き
分泌される消化酵素で繊維と肉の溶ける匂いが充満した。
「これで、最早貴様に為す術は一切無い!
このままジワジワと骨まで喰らってやる!
どこで死ねるかまでは解らんがなッ!
クハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」
全身にスタンドがまとわりつく絶体絶命の状況。
しかも一切の攻撃は通用しない無敵の能力。
にも関わらず、己の躰が溶かされている恐怖にも屈さず、
花京院は強い意志の宿った瞳で前を見た。
「なるほど、確かに恐ろしい能力だ。
もしかしたら無敵のスタンドかもしれない。
大したモノだ」
「ククク、何だ? この期に及んで命乞いか?」
勝ち誇る自分に、死に体の自分が静かに返す。
「 “亢龍悔い有り” “過ぎたるは猶及ばざるが如し”
中国の古い格言だ。
貴様のスタンドは、その完全性によりボクを追い詰めたわけだが、
『その完全性により、貴様はボクに敗れるコトになる』 」
「ハァ〜? 何だとぉ〜?」
告げられた言葉を理解できなかった相手は、
その絶対的優位も手伝って頓狂な声を上げる。
「両手足を封じても、ボクのスタンドの場合余り意味がない。
“エメラルド・スプラッシュ” は、
ハイエロファントが存在している場所ならどこにでも創り出せる。
解らないのか?
既に貴様の眼前で翡翠の結晶弾が、「廻転」 を続けているコトを」
ジワジワと、己の皮膚や肉を溶かされている状態だが、
花京院は淀みのない口調で瘴煙の上がる指を差し向ける。
なるほど、確かに落ち着いて眼を凝らせば、
肉塊に捉えられたスタンドの周囲で
エメラルドの光がキラッキラッ、と点滅している。
「だからどうしたッ! 貴様の如何なる能力も!
我が 『黄 の 節 制』 には通用せんという事は解っているだろう!
また 『E × E』 とやらを放つつもりか!?
ヤってみろ! 同じようにスベテ吸収されッ!
オレのスタンドを成長させるだけだッ!」
荒ぶる本体に、花京院はあくまで冷静な口調で告げた。
「いや、その必要はないな。言っただろう?
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