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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
400部分:第五十五話 痛み分けその四
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第五十五話 痛み分けその四

「フィンランドからそうして戻り犬達を送るのはな」
「空から犬ですか」
「何か大掛かりですね」
「何、大したことはない」
 こう青銅の者達に述べるカミュだった。
「輸送機を使えば案外楽にいける」
「そうだな。それぞれ檻に入れて運べばな」
 サガも話を聞いて理解したのであった。
「そういったことも存外容易に進めることができる」
「その通りだ。ではフィンランドに向かおう」
 ここまで話して全員に告げるカミュだった。
「そこで少し骨休めをしてから聖域に戻る」
「ええと。フィンランドっていうと何かあったか?」
「オーロラとサウナか?」
「それ位じゃないのか?」
 彼等はフィンランドというとそういったものしか思い浮かばなかった。彼等のうち誰もその国とは馴染みがなかったのである。だからである。
「まあサウナであったまってな」
「それで帰るか」
「そうだな。フィンランドもサウナだしな」
「そうそう」
「案外よく知っているな」
 サガは彼等の話を聞いて言った。
「フィンランドのことを」
「まあこれ位は知ってますよ」
「フィンランドに行ってなくてもね」
「そうなのか。ただし食べ物はあまり聞かないことは言っておく」
 このことは言い忘れないサガだった。
「それはな」
「あっ、そういえば食べ物と言われてもあまり」
「そうだよな」
 青銅の者達は彼に言われてこのことに気付いたのだった。確かにフィンランドと言われてもこれといって思い浮かべる食べ物はなかった。
「何もないよな」
「だよなあ。酒もな」
「食べるものはやはりロシアの方がいいのかね」
 こんな言葉まで出て来ていた。
「料理とかは」
「そうかも知れないな」
「しかし今は別に食べ物はいいだろう」
「食べるのならギリシアに帰って懐かしいものを食べるのもまたいい」
 バベルとオルフェは少しぼやいている青銅の者達に対して言った。
「だからだ。今は別にな」
「食べ物にはこだわらなくていいだろう」
「それもそうか」
「ギリシアでゆっくり食べればいいよな」
「だよな」
 青銅の者達も二人の言葉に頷きもした。言われてみればであった。
「それじゃあ今は食べ物はギリシアまで置いておいて」
「それからだよな」
「ああ、それじゃあサウナでも楽しむか」
 これは忘れないのだった。長い間寒い場所にいた為か彼等はやたらとサウナに入りたがっている。しかしこれも無理のないことであった。
「そこであったまって」
「ギリシアに帰るか」
「だよな」
 彼等は笑顔であった。今から楽しみにしているのである。
「さて、それじゃあカミュ様、サガ様」
「まずはフィンランドに入って」
「それから帰りましょう」
「うむ。それではだ」
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