マブラヴ
1488話
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違いなく感情を取り戻すだろう。
これは希望とか予想とかではなく、純粋に俺の確信。
『ラピス、いいですか? これから学校に通うのですから、ラピスも団体行動というものをですね』
「嫌」
説教をしようとするルリだったが、ラピスは短くだが即座にそう答える。
こんなに懐かれて、嬉しいのは間違いないんだが……いや、本当にどうしたらいいんだろうな。
『アクセルさん、アクセルさんも何とか言って下さい。アクセルさんが甘やかすから、ラピスも我が儘に……』
「何よ、ラピスがそうしたいって言ってるんだから、そうさせてあげればいいじゃない。少しくらい、いいでしょ!」
ラピスを庇うように、イーニァがラピスの前に出てルリに言い返す。
そんなイーニァの姿に驚いたのだろう。ルリは映像スクリーンの向こう側で一瞬目を大きく見開く。
幾ら感情を表に出すようになっても、ここまでルリが驚きの表情を浮かべるというのは少し珍しい。
また、そっちだけではない。イーニァがラピスを庇ったのにも驚いてしまった。
ラピスを俺の下に連れてきたのだから、決してイーニァとラピスは相性が悪い訳ではないのだろう。
だが、まさかイーニァがラピスを庇うような真似をするというのは完全に予想外だった。
……いや、でも考えてみれば不思議でもないのか?
元々イーニァは年上のクリスカに過保護なまでに接されていた。
そんなイーニァにとって、自分が庇うべき相手……面倒を見るべき相手がいるというのには、憧れのようなものがあったとしてもおかしくはない。
クリスカの事を好きだからこそ、自分もクリスカのようになりたいと。
そう考えれば、今のイーニァの行為を見ても納得は出来た。
『アクセルさん、この人は誰です?』
当然のようにルリはイーニァの事を知らない為、そう尋ねてくる。
「イーニァだ。プロミネンス計画に参加しているソ連軍の軍人……だよな?」
イーニァの見掛けは、それこそラピスとそう変わらない。
その為にこう尋ねたのだが、尋ねられたイーニァの方はそんな俺の態度が気にくわなかったのだろう。頬を膨らませてこちらに視線を向けてくる。
「当然でしょ! 私はソ連軍の軍人なんだから!」
「……らしいぞ」
真っ平らな胸を張って告げるイーニァ。
戦術機に乗るパイロットは、あの特徴的なパイロットスーツを着るのだが……正直なところ、イーニァがああいうパイロットスーツを着ても需要はあまりなさそうだ。
いや? ある一定の層には需要がありそうだな。
ただ、そういう奴はクリスカに速攻退治されることになりそうな気がする。
『軍人、ですか。まぁ、私も人の事は言えませんが』
ルリもこの年齢でナデシコに乗っていた人物だ。
それだけ
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