sts 30 「悪夢の英知」
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責任が伴う。故に俺達はそれを今は果たさなければな
らない。
「……ふふ」
「どうした急に?」
「ううん、何でもないよ。ただ……ショウくんの言うとおりだなって思って。気持ちで負けてたらダメだよね」
そう言って笑うなのはの瞳には力強い意思が宿っている。
これまでに何度も見てきた真っ直ぐで不屈の心を感じさせる目。どんな状況でも諦めないこいつが居たから……こいつに出会えたから今の俺はあるのだろう。
もしもなのはが居なかったならジュエルシードを巡る事件に深く関わることはなく、いつまでもただ変わらなければと思うだけの子供だったかもしれない。闇の書を巡る事件では、はやてやヴィータ達を助けたいと望みながらもアインスに敗北したことだろう。あのとき隣になのはが居てくれたから……俺ははやて達を救い出すまで戦えたんだ。
出会ったことで傷ついたこともある。けれどその傷があったから……それに負けない幸せな時間があったからこそ今の俺はある。
スカリエッティ一味との抗争は終盤を迎えているだろうが、終止符が打たれるまでに次々と心が折れるような出来事があるだろう。ただそれでも俺は諦めたりしない。大切なこいつらとの繋がりを守ってみせる。
だがスカリエッティは、狡猾さを出し惜しみするつもりはないのか、管理局側の気持ちを砕くかのように更なる一手を投じる。
例の召喚士の少女が確認されたかと思うと、彼女が召喚した無数の虫達が地鳴りを起こし始める。それと同時にスカリエッティからの映像も流れ始めた。
『さあ……いよいよ復活の時だ。私のスポンサー諸氏、こんな世界を作り出した管理局の諸君、偽善の平和を謳う聖王教会の諸君……見えるかい? 君達が危惧しながら恐れていた絶対的な力……!』
スカリエッティの言葉に呼応するかのようにモニターに映る地面は次々と裂けていき、繋がりを絶たれた一部の大地が浮かび始める。
数キロメートルはあるであろう大地を持ち上げたつつ姿を現したのは……蒼色と金色を基調とした装甲の空中戦艦だった。
『旧暦の時代……一度は世界を席巻し、そして破壊した古代ベルカの悪夢の英知!』
名前は《聖王のゆりかご》。
確か旧ベルカ時代に劣勢に立たされていた聖王軍が使用したとされ、見事勝利へと導いた超大型質量兵器……あれがスカリエッティの切り札か。
『見えるかい? 待ち望んだ主を得て古代の技術と英知の結晶は今その力を発揮する!』
そこで画面は切り替わり、聖王のゆりかごの内部と思われる映像を映し出す。
玉座のような場所に浮かぶひとつの小さな影。目を閉じて玉座に座っている幼い顔立ちと金色の髪の少女は、つい先日まで俺達の傍に居たヴィヴィオに他ならない。
『……――ッ!? 痛い……いや、怖いよ! ママ、ママぁぁッ!』
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