sts 30 「悪夢の英知」
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に向かっているそうだ。
「――っ……あれって!?」
「ギ、ギンガじゃないんですか!?」
なのは達の反応が示すように映像にはギンガの姿が確認できる。他の戦闘機人達が纏っているバトルスーツのような恰好をした状態で。
映り出された映像から見る限り洗脳状態にあるような顔はしていない。が、ウェンディとか言う戦闘機人や二振りの光剣を持っている戦闘機人と行動を共にしているあたり、俺達の知るギンガとは考えにくい。
捕獲した相手のデータをただ取って終わらせる、なんて温い事をスカリエッティがするとは思ってなかった。だが覚悟していても身近な人間が敵側に回るというのは精神的に来るものがある。
「そ……んな」
「しっかりしろなのは」
「でも……」
確かになのはの気持ちは分かる。もしも戦場で顔を合わせれば、今のギンガは俺達を容赦なく攻撃してくることだろう。
人質として使われるのも助け出すまでに何かされる恐れがあるので困るが、敵戦力として投入されるのも最悪のケースが考えられるだけに実に嫌な手だ。
とはいえ、ギンガが生きていてくれた。
最も考えられた最悪はデータは取れたからもう必要ないと命を絶たれることだった。だが何かしら記憶が改ざんされているとしても生きていてくれたのならば救い出すチャンスはある。
おそらくスバルもアースラに来ててこの映像を見ているだろう。この前の戦闘で負った怪我自体はスバルもマッハキャリバーも完治しているだろう……が、精神的ダメージが完全に消えているとは思えない。俺やなのはでさえ動揺や不安が過ぎるのだからあいつの精神は今誰よりも揺れていることだろう。
だが……だからといって俺が成すべきは変わらない。六課メンバーと協力してこの事態を収束させる。そのうえでギンガとヴィヴィオを必ず救い出す。スバルやなのはと約束したのだから。
「敵に捕獲された時から考えられたことだ」
「それは……そうだけど」
「今すぐ割り切れとは言わない……だがこういうときこそ前向きにだ。考え方を変えればギンガを助けるチャンスが巡ってきたことになる。悪い事ばかりじゃない。だから少なくともフォワード達の前では顔に出すなよ」
「……うん、そうだね。私はもう子供じゃない……スターズの隊長なんだから」
本当ならなのはにはそんな言葉を言ってほしくはないし、言わせたくもない。
なのはの日頃浮かべるあの笑顔を知っている者ならば……彼女が魔法と出会ってからの日々を知っている者なら俺のように考える奴は他にも居るだろう。
けれど……なのはの言うように俺達はもう子供じゃない。
リンディさんやクロノのように今でも守ってくれる人は存在している。だが俺達が守ってやるべき相手も存在しているのだ。
守るためには力が居る。力がある者にはそれ相応の
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