二十四話:デート?
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び縛り上げる。
「あの、これほどいてくれない?」
『ジャンヌ・オルタ、このナマモノどうする?』
「モグラたたきのモグラ代わりにしたらどうかしら」
「やめて! そんな残酷なゲームを子ども達にやらせないでぇ!!」
『大人になるって悲しいことなの……』
その後、モグラたたきには、大当たりのクマが入っているという都市伝説が、まことしやかに囁かれることを、まだ誰も知らないのだった。
「ふふふふ、結局、私が全戦全勝ね」
『クイズゲームでは俺の勝ちでしょ』
「あれは問題が悪かっただけよ。ハロウィンのカボチャが、元はカブとかなんで知ってんのよ」
『予習は大切だよ。でも、あそこからクレオパトラに飛ぶのは予想外だった』
ベンチに座り、近くで買ったクレープを食べながら、バッティングセンターでの出来事について話す二人。
「それにしても、あんたってバッティング下手なのね。私より飛ばなかったじゃない」
『おっと…心は硝子だぞ?』
「安心しなさい。割れても融かせば、また使えるわ」
『俺はこんなもののために…! 毎日トレーニングをしてきたわけじゃない!!』
ジャンヌ・オルタに、バッティングで負けたことをいじられる。
元々、運動神経の良い彼女に負けるのはそこまでおかしいことではないが、やはり男の威厳は傷つく。
「ねえ、どんな気持ち? 頑張ってきたものが否定されるってどんな気持ち? ねえ、ねえ?」
『つ、次に勝てばそれで大丈夫だから』
「何度でも叩き潰してあげるわ」
満足気に笑いながらジャンヌ・オルタはクレープを口にする。
いつもより甘く感じるのは、これが勝利の味というものだからだろうか。
『そう言えば、どうして今日は急に誘ってくれたの?』
「……別に、なんとなく暇だったから誘っただけよ」
本当の理由を言えるはずもなく、そっぽを向いて答える。
こんな相手に魅力を感じるはずがない、異性として見るわけもないと、自分の中で結論を出す。
『そっか。でも、なんとなくでも俺は一緒に出かけられて嬉しいよ』
「フン……」
しかし、心のどこかで本当にそれでいいのかと、疑問が湧き上がる。
本当に嬉しそうに笑う、彼の顔を見ていると何故か調子が狂ってしまう。
心がささくれ立ち、雑にクレープにかぶりつく。
クリームがはみ出してしまうが無視をする。
『……そう言えば、プールで競争して負けたらアイスおごりって言ってたよね』
「はぁ? あれはノーカンって言ったでしょ」
『うん。だから、これで我慢する』
そう言って、ぐだ男は彼女の顔に指を伸ばし、頬についていたクリームを拭いとる。
あっけにとられ固まる彼女をよそに、彼はそのままクリームを舐める。
『ご
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