二十四話:デート?
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れなくとも、彼女自身が人気者の姉と自分を比べてきた悪い癖だ。
「ああ、もう! イライラする。……そうよ、ハッキリさせればいいじゃない。私にも、あいつにも、そんな感情はないって証明すればいいだけよ」
何かを思いついたのか、スマホを取り出して電話をかけるジャンヌ・オルタ。
普段は気にも留めないのに、今はなぜかスマホを操作する指が震えていた。
「ぐだ男、ちょっと付き合いなさい」
『ああ! 今のは卑怯!』
「はぁ? よそ見してたあんたが悪いんでしょ。これでマッチポイントね」
お互いに息を荒げ、汗を流しながら向かい合う。
二人は今、ゲームセンターのエアホッケーで激戦を演じていた。
現在、なりふり構わぬ不意打ちにより、ジャンヌ・オルタの一点リードであった。
『……あ! 後ろにスパPがいる!』
「そんな嘘に騙されるわけないでしょ!」
ぐだ男も負けじと不意を突こうとするが、如何せん単純すぎてばれてしまう。
『どうやら、真の力を開放するときが来たようだな……目覚めろ! 俺のダークサイド!』
「ちょっ! 二刀流は卑怯でしょ!!」
追い込まれたぐだ男は、遂にスマッシャー(ラケット)を両手に持つ禁じ手に打って出る。
『勝てば官軍、負ければ賊軍!!』
「くっ、こいつ完全に開き直ったわ…!」
『ここからが本当のデュエルだ!!』
かつて究極生物は言った。どんな手を使ってでも勝てばよかろうなのだと。
かつて抑止の守護者は言った。誇りなど犬に食わせてしまえばいいのだと。
そう、勝負の世界において最も重要なことは勝つことなのだ。
故に、ぐだ男はいかなる手段も選ばない。しかし、卑怯者に罰が当たるのもまた運命。
『二刀流って逆に戦いづらい……』
「あんた馬鹿でしょ?」
過ぎたるものは及ばざるがごとし。
孔子も言っている通りに、無駄な物が増えても動かしづらいだけである。
『まだだ…! 片方をゴール前でのディフェンスに回せば……あ』
「はい、私の勝ちね。……なんか素直に喜べないわね」
試行錯誤を繰り返している間に、ジャンヌ・オルタに勝負を決められてしまう。
崩れ落ちるぐだ男を冷めた目で見降ろしながら、彼女はため息をつく。
せっかくの勝利も後味の悪いものになってしまった。
「ほら、さっさと次行くわよ。今度は気持ちよく叩きのめしてあげるわ」
『お手柔らかに』
「たく……こんな奴を意識するとかホントありえないわね」
『なんか言った?』
「あんたが底抜けのバカだって言ったのよ」
『流石に底ぐらいはあるやい』
お互いに軽口を叩き合いながら、何か面白そうなものはないかと歩き出す。
何気なしに当たりを見回したところで、あ
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