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幽雅に舞え!
サファイアの失意、ルビーの成長。
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。ルビーって料理作ったことなさそうだけど」
「レシピさえあれば、料理なんてそれなりに真似が出来るって相場が決まってるからね」
「そっか……」

 なんて他愛のない話をしていると、あっという間に皿は空になった。

「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」

 隣に座るお互いを見つめて、微笑みあう。

「本当においしかったよ。ありがとう、ルビー」
「こういうときはね。毎日でも食べたいなって言ってくれるのが一番嬉しいんだよ?」
「……勿論ルビーさえよければ、それが一番いいよ。でも多分毎日は面倒がってやらないだろ」
「ふふ、それもそうだね」

 さて、とルビーが前置きして。本題に入る。

「結論は出たかい?サファイア君」
「ああ、ルビーのおかげでな」

 ぐっと拳を握りしめるサファイア。彼の出した答えは――

「俺……やっぱりチャンピオンを目指すよ。そして見ている人を楽しませるようなバトルがしたい」
「……そうかい」
「うん。シリアのバトルは、確かに作り物だったかもしれない。だけど俺はそんなシリアに憧れてきたんだ、それは今でも変わらない。だからさ」

 ここで一度言葉を切り、ルビーの顔を見る。


「俺が人を楽しませる、『本物』のバトルを……出来るようになって、シリアを倒す。それが今の俺の目標だ」


 ルビーはにこりと笑って、サファイアを肯定した。

「うん……君ならそうするんじゃないかって思ったよ」
「ああ。俺は何度でもこの道を選ぶ。もう迷わない」
「それじゃあこれから急いで残りのジムバッジを集めて、兄上に挑むのかな?」
「そのつもりだ。だけど……その前に一つ、やらなきゃいけないことがある」
「なんだい?」

 首を傾げるルビーに、サファイアは彼女の肩に手を置いてこう言った。


「おくりび山に行く。さっきルビーは家族に認められてないって言ったよな。そんなのは良くない。俺とルビー、二人で話をしに行って……ルビーのこと、認めさせるんだ」


 サファイアの目はとてつもなく真剣で……ルビーは、ついにこの時が来たのかと思い。二人は期待不安の未来へ歩き出すのだった。
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