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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十二話 戦いに変わる日
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「え……?」
母さんは突然、遠くに呼びかけるような声を発した。
アルフ以外に誰かがいる?
私は疑問に思っていると、不意に肌が寒いような感覚に襲われた。
バリアジャケットが肌を保護してくれるにも関わらず感じる悪寒は――――。
「――――呼んだか、プレシア?」
「っ!?」
私の背後から放たれていた“彼”の存在そのものから発せられたものだった。
私よりも背が高く、やせ型の身体に黒い髪。
戦う、なんてことは似合わないように見えるその身体からは、しかし“彼”を思わせる鋭い刃物のような雰囲気を感じる。
“彼”よりも黒く、暗い……夜じゃなくて闇。
怒りじゃなくて殺意。
“彼”が絶対に踏み越えないようにしていたはずの一線を超えてしまったような存在が、目の前にいた。
でも、だからこそ“彼”との違いもあった。
鋭い刃物のような雰囲気を感じるけど、“彼”はその刃を鞘に納めてるから触れても傷つかない。
それが優しさなのだと知ってる。
だけど目の前にいる彼はそんなものはなくて、触れたものを平気で傷つけるような雰囲気が漂っていて……思ったのは一言。
――――この人は危険だ。
そんな彼は、まるで世界全てを馬鹿にするような笑みを浮かべていた。
「母さん……この人は?」
「ジュエルシードを効率的に確保するために用意した人形よ」
「人、形……?」
母さんは彼を、私よりも暗い瞳で見つめていた。
そこには愛だとか優しさなんて一切ない、感情の篭ってない瞳だ。
「コレは、ただただ戦うためだけに生み出した存在。 フェイト、あなたがジュエルシードを集める中で邪魔をする存在がいれば、コレはその全てを殲滅する」
「殲滅って……」
その言葉で私は、母さんが彼をどう見ているのか理解した。
それは人じゃない――――兵器だ。
母さんにとって彼はその程度の存在で、きっと彼が死んでも何も思わないんだと思う。
そんな母さんに対する不信感。
「ひでぇ言い方だなおい。 んま、間違っちゃいねぇんだろうさ、はは」
そんな不信感すら吹き飛ばすほど、彼は歪んだ笑みを浮かべて返した。
なんで?
なんで、そんな風に笑えるの?
自分を否定されて、捨てられるよって言われてるのに、どうして笑えるの?
どうして――――嬉しそうなの?
「えっとぉ、フェイトだっけか? 俺ぁ『イル・スフォルトゥーナ』だ」
「……」
私は彼……イルに返事一つできず、ただただ頷くことしかできなかった。
「今後はソレも送るわ。 ジュエルシード以外の目的で残虐行為はしないようにしてある
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