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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十二話 戦いに変わる日
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だって解決していないのに、私の“それ”すらも抱えさせてしまっていいのかな?

 ――――私が不器用だから悪いんだ。

 ――――私が弱いから悪いんだ。

 ――――私が失敗ばかりだから悪いんだ。

 ――――私が……私が。

 そのはずなのに……。

 きっと彼は、『お前は悪くない』と否定してくれる。

 だけど、そうやって縋っていいのかな?

 そんな風に寄りかかって、甘えて、一方的に全部背負わせて、責任も取れないのに巻き込んで、私だけが救われて終わっていいのかな?

 今ある全てを彼に委ねていいのかな?

 いつか私はそれを彼の責任にして、押し付けてしまうんじゃないのかな?

 救われるのであれば、救われたいのかもしれない。

 だけど、あの痛くて辛い日々の中に彼を巻き込んでしまう。

 彼は快く飛び込んでくれるだろう。

 だけど、解決してもこのことは私に一生付きまとって、彼にとっても呪いのように消えない。

 彼は強いから、呪いなんて気にしないだろう。

 だけど、私が通るべき辛い道を私だけが安全な道に逃げて、彼にその道を進ませるのは、理不尽や不公平なものを彼にだけ歩ませるのはいいのだろうか?

 “だから”

 だから私は、彼のもとから離れた。

 もう一回、もとの日々に戻ることにした。

 これでいい。

 きっと何も、間違ってないんだ――――。


*****


「フェイト、ジュエルシードは集まったの?」

「うん。 もう少しだけ時間をくれれば、全部集まるから」

「そ。 随分かかってるみたいね」

「っ……ごめんなさい」

 次元の中にある、母さんの研究場/時の庭園。

 その奥の一室に私は、母さんに現状までの報告に来ていた。

 部屋から少し離れた所にはアルフもいるから、あまり待たせたくはない。

 だけど、今日はきっと待たせてしまう。

 母さんは怒ってるから。

 役に立ててない私に、苛立っているから。

「フェイト、母さんは悲しいわ。 私の研究はフェイトの努力次第なのよ?」

「うん……ごめんなさい」

 さっきと同じ返事を繰り返す。

 ごめんなさい。

 母さんと過ごして、いったいどれだけ口にしただろう。

 ありがとう。

 母さんと過ごして、いったいどれだけ耳にしただろう。

 私はそんなことを思いながら、母さんの顔から目を逸らさないようにする。

 叱られてる恐怖や罪悪感で逸らしたくなるけど、悪いのは全部私なんだ。

 だから耐えないといけない。

 役立たずだっていう現実に。

「これ以上待たされるのは私としても困るわ。 だから……来なさい」

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