動き出す絶望 後編
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いないようだ。
「けど、まだ会場内にはいるはずだ! 」
すぐにその場から走りだし、会場内を探し回る。すると、ようやく天山学園のメンバーが見えた。
「あっ!!さっきのグズ野郎か!いったい何の用だよっ!? 」
天山学園のメンバーの一人が声を荒げてきた。やはり、さっきの試合の事だろう。あれはいくらなんでもやり過ぎだ。
「まあ待ちな。ひとまず、何か言いたそうだし。そうでしょ?カグラ レイ」
メンバーをたしなめるように、アモウが俺を見据えて言ってきた。
「ああ…………」
「倒れたときはビックリしたよ。もう大丈夫なようでよかったけど。それで、何の用? 」
その言葉に、俺は頭を下げる。
「さっきの試合は、本当に悪かった。許してくれとは言わない。けど、謝らせてくれ。本当に…………悪かった」
俺なりの、精一杯の謝罪をする。覚えてねぇとか忘れたなんて、言い訳にしかならねぇ。やったのは、紛れもなく俺自身なんだから。
「…………確かに、あれはかなり酷かった。ボコボコにされたあげくにオーバーキル。僕のメンバーも激怒したよ。けど…………」
アモウは間を空けると、自分に向かって親指で指差した。
「問題なのは、勝てそうと思って油断した自分自身だ。大人しく蹴りじゃなくビームサーベルで攻撃すればよかったよ」
「へー。よく分かってんじゃねえか」
頭を下げたまま声がした方へと視線を向けると、一人の男が立っていた。
「俺の後輩とし恥じねーように出来てるようで安心したぜ。実力だけじゃなく、人間としても上出来だ」
「サ、サカキさん!?どうしてここに!? 」
「あー………まあ俺の母校と、ハルカゼがコーチの天之川学園がバトルって聞いたからな。それで来たんだよ」
男は笑いながらアモウに言うと、下げてる俺の頭に手を乗せる。
「というわけだぜボウズ。お許しも得たんだし、いい加減頭を上げろ」
サカキと言われる男に言われ、俺は頭を上げる。
「ボウズ。お前のやった事は間違っているが、観てた俺から言えば単純に強かったぜ。これからが楽しみなぐらいにな。まあ、アモウもまだまだ負けてねーけどな」
アモウと俺の頭をグシャグシャと撫でてくるが、二人揃ってサカキの手をどける。
「そういう訳だお前ら。お前らも充分強かったぜ。まっ、アモウと比べるとまだまだだけどよ」
「ぐっ…………」
アモウの言葉とサカキという男が来てから、場の空気が変わった。殺伐とした空気から、和やかな空気になった。
「…………ありがとうな」
「気にしないでいいよ。けど、次は僕達が勝つから」
「ああ…………次は正々堂々と戦おうな」
俺はその場から去り、アマネ達の所へと向かう。
「
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