動き出す絶望 前編
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タイミングで知っても、レイは立ち直れる可能性がある。もっと絶望している時じゃないとね』
「……性格悪ぃなお前」
『ははっ。安心しなよ。レイはさっき、靄がかかった映像が頭に流れるって言ったでしょ?僕は実際に見てないから分からないけど、あの苦しみようだと、多分あの日についての映像かもね。
ちなみに、おそらくその原因は、レイがレイの根本的部分に触れているからだよ。そう。小さい頃からある、レイの根本的部分に』
「…………なあ。俺の根本的部分ってなんだよ?お前はそれを知ってるんだろ? 」
『一応ね。けど、教えたりしないよ』
「ヒントは? 」
『あげないよ』
「あーそうかよ。まあ、映像がヒントってのは分かった。じゃあ次だ………………お前の目的はなんだ? 」
『それについても答えないよ』
「じゃあ、お前の言う依り代ってのは、どういう意味で言ってんだ? 」
『おっと。そう来るか。意外と覚えてるんだね』
「いいから答えろよ」
『あはは。まあ別に答えてもいっか。僕の言う依り代ってのは、現実で例えると人形かな? 』
「?もう少し分かりやすく言えよ」
『分からない?ほら、ホラーとかでよく幽霊が人形に憑依するってやつ。一人かくれんぼとかでよくやるだろ?あれと同じ意味だ』
「…………なるほどな。つまり、俺の体にお前が憑依するって意味で捉えていいんだな?そんな漫画やアニメみたいな事が出来るっていうのか? 」
『どうだろうね。少なくとも、二、三度成功しているよ? 』
「…………は? 」
『おっと。口が滑っちゃったか。まあいいか。さてレイ。最初に出したヒントは覚えてる? 』
「…………一応な」
『じゃあ言ってみてよ』
「…………過去から現在にいたる軌跡を振り替えればいい。一度か二度は、心当たりがあるはずだ…………だろ? 」
『その通り。さっき口が滑っちゃった事と繋がっているよ。君があの日から今に至るまで、必ず心当たりがある。よく振り返ってみるんだね』
「………………なあ。お前はいったい、何がしたいんだよ?わざわざ俺の夢に出てきて、俺をどうしたいんだよ? 」
『そうだね。第一段階として、レイを……………………
壊すことでもしようかな? 』
「…………やらせねぇよ。出来るもんならやってみろ」
『威勢は本当にいいね。けど、それは無駄だ。確実に君の精神は蝕われている。遅いようで速いペースでね』
「…………まさか、この黒いのがそうだって言いてぇのか? 」
『当たらずとも遠からずってところだね』
「そうかよ」
『さて、残念ながらもう時間切れ
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